プジョーのLMHプロジェクトのテクニカルディレクターであるオリビエ・ジャンソニーは、新型LMH車両『9X8』にとってのデビュー戦となった7月のWEC第4戦モンツァで発生したシステムや冷却の問題は、第5戦富士までに行なわれた2度のテストで解決したと、かなり自信を持っているという。

「モンツァ以降、マシンに大きな改良が加えられたことは確かだが、我々が望むレベルに達するには、まだ多くの改良が必要だろう」と、富士での練習走行開始を前に、彼は説明した。

「これまでに見たことがないような、新しい問題が起きると考えている。我々は、新しい学習曲線の上にいるんだ」

「新たなレース、新たなコンディションとなるし、ここ(富士)は走ったことのないクルマなので、様々なことが起きると予想している」

「でも、少なくともモンツァで見た問題については、解決策を見いだせたと確信している。クルマもチームも大きく改善する余地があることは認識しているが、解決できない問題にはまだ出くわしていないんだ」

 ジャンソニーはモンツァで93号車が完走できず、94号車が首位から25周遅れでのフィニッシュとなった問題について、詳しくは説明しなかった。93号車はレース後にシステムの問題が起きたとしていたが、さらに94号車と同様の冷却の問題が発生していたという。

 かつてスーパーGTやスーパーフォーミュラで活躍し、今回プジョー94号車のドライバーとして日本に戻ってくることになったロイック・デュバルは、前戦モンツァを振り返り、次のように語った。

「メディアやファンのみなさんは、僕たちがトラブルなくレースを終えることを期待していたのかもしれない。でも内部にいると、これだけ短い期間(のテスト)の後、(レースに出ることで)いくつかのことが判明するだろうと分かっていたんだ」

「モンツァで94号車に発生した問題は、主に他の多くのクルマとレースをしていたことと、コース上に多くのゴムやダストがあったことに起因している。だから、レースに出ることも重要なんだ。でも最終的に94号車にとってはスムーズなレースができたし、クルマの挙動や周回数、チェッカーフラッグを見れたことに満足しているんだ」

「あれからさらにテストを重ね、いくつかのステップを踏んでマシンをより深く理解できるようになった。これからは限界に向かってもう少しプッシュできるようになるはずだ。僕たちはある意味で”ルーキー”だから、他よりも大きなステップを踏むことができるはずなんだ」

「これまでやってきたことについては、かなりポジティブにとらえている。新しいプログラムを始めるとき、いつレースに出るのが正しいタイミングなのかを正確に知るのは常に難しいことだが、僕たちは正しい決断をしたと思っている」

 トヨタやアルピーヌといったハイパーカークラスのライバルたちと富士で戦えると思うかという質問には、デュバルはモンツァ以上に近づくことはできるはずだと語った。

「週末を迎える前に知ることは難しいけど、モンツァではパフォーマンス的にそれほど離れていなかったと思うし、予選ではトラフィックと赤旗がなければフロントロウに近い位置につけていたはずだ。パフォーマンス面で少しでも近づくことができれば、戦えるようになるはずだ」

「ただコース上だけでなく、ピットでもパフォーマンスを発揮しなければならないし、それはルーティンとしてやっていかなければならないことだ。それは時間がかかることだ。常にできるだけ短くしようと思ってはいてもね。僕たちが真の優勝候補になるのはいつなのか、様子を見てみよう。今週末かもしれないし、また別の週末かもしれない」