2019年以来、3年ぶりの開催が実現したWEC(FIA世界耐久選手権)の富士戦。トヨタの小林可夢偉と平川亮、D'station Racingの星野敏と藤井誠暢にとって母国レースということになるが、開催直前になってもう一人、日本人ドライバーがエントリーリストに加わった。

 それが木村武史だ。収益不動産を取り扱う株式会社ルーフの代表取締役を務める傍ら、スーパーカーエンターテインメント『CARGUY』の代表として、様々なレース活動を行なっている。今季も、スーパーGTのGT300クラスにPACIFIC CARGUY Racingのドライバーとして参戦している他、ル・マン24時間レースにもスイスのケッセル・レーシングから参戦している。

 今季ケッセル・レーシングはWECにフル参戦しているわけではなく、木村も出場予定はなかった。ところが、レース開催の数日前に急転直下、TEAM PROJECT1の56号車のドライバーとして出場が決まったのだ。

 56号車はチームオーナーでブロンズ・ドライバーのブレンダン・イリべがエントリーしていたが、家庭の事情で来日を断念。その代役として、木村にドライブを依頼したのだという。

「連絡をもらったのが水曜日の夜7時くらいでした」と、木村は今回の出場の経緯についてmotorsport.comに語った。

「チームオーナーのブレンダンさんから連絡をもらって、家族の都合で出れなくなったから、代わりに出てもらえないかと言われて、出ることになったんですよ。(チームとは)今日顔合わせでした」

「いきなり、こういう場に来れて嬉しいですよね。メーカーの垣根を越えて、ドライバー同士の付き合いでこういう機会が得られるっていうのは、僕たちジェントルマンドライバーの特権かなと思います。それができるのはこのレースの醍醐味でもありますよね」

 そう笑顔で語った木村。スーパーGTやWECではフェラーリを操っているが、56号車のマシンはポルシェ9111 RSR-19。木村にとって初めて乗るマシンとなるが、彼は適応に手応えを掴んでいるようだ。

「ポルシェは初めてでした。乗りやすくて良いクルマですよね。うまく出来ていて、それなりにちゃんと乗りこなさないとタイムは出てこないんですけど、乗りこなせるかなという手応えがありました」

「(操作面でも)問題は全然ないです。ポルシェはすごくドライバーフレンドリーになっているので、使いやすいし分かりやすいクルマになっていますね」

「もうちょっと、あと1秒くらいはタイムが出るかなという感じがしたんですけど、まあ初めてですしね。そんなに悪くもないかな。レース中に慣れていくと思います」

「WEC、それも3年ぶりに開催される富士に、自分が居られるっていうのはすごくありがたいことですし、応援してくれるファンの皆さんの楽しみのひとつになれば、幸いかなと思っています」