2022年の全日本ラリー選手権第7戦「ラリー北海道」が9月9日〜11日、北海道帯広市を舞台に開催。最高峰のJN1クラスを制したのはトヨタGRヤリスを駆る勝田範彦で大会2連覇を達成。同じくGRヤリスを駆る奴田原文雄が2位、スバルWRXを駆る新井敏弘が3位で表彰台を獲得した。

 一方、シュコダ・ファビアR5を武器に今季5勝を挙げているヘイキ・コバライネンは9位に惨敗。第6戦「ラリー・カムイ」では今季初のグラベルイベントを攻略するなど、ターマック以外でも素晴らしいパフォーマンスを見せていたのだが、同じグラベル戦のラリー北海道では何が起きていたのか?

 コバライネンが失速した理由はレグ1のSS5で演じたコースアウト。「橋にヒットして右リヤタイヤをパンクしてしまった。ステージ上でタイヤを交換しようとしたんだけどジャッキアップがうまくできなくて時間をロスしてしまった」とコバライネンが語るように、ここで約22分のタイムロス。46番手タイムで同ステージをフィニッシュした。この結果、コバライネンは総合39位、JN1クラスの10位でレグ1を終えたほか、レグ2での追走も届かず、前述のとおり9位に終わることとなった。

 ただコバライネンの敗因はSS5のコースアウトだけでなく、“高速グラベルへの対応能力”も影響していた。

 レグ1を終えたコバライネンは「同じグラベルでもラリー・カムイと違って、ラリー北海道は高速コースだからね。正直、自信が持てずに走っていた」と語っていた。事実コバライネンは、パーマネントコースの陸別オフロードサーキットを舞台にしたSS4こそベストタイムをマークすることができたが、林道SSではSS7の4番手タイムが精一杯……といった状況で、同SSを制した勝田に約11秒も引き離された。

 その傾向はレグ2でも続き、SS10の4番手タイムがベストリザルトだった。「レグ1は先頭スタートだったけれど、先にインターナショナルクラスが走っていたからね。スリッパリーだったけれど、それでもラリー・カムイよりは走りやすかった。圧倒的にグラベルでの経験が少ないことが大きいよ」と悔しそうな表情を浮かべたコバライネン。SS10ではトップから0.3秒差まで肉薄するほど、確実にレグ1からはペースアップを果たしたが、コバライネンにとっては失意のリザルトだったに違いない。

 とはいえ、最終戦として10月14日〜16日に岐阜県高山市を舞台に開催される第8戦「ラリーハイランドマスターズ」のポイント係数が告知され、ポイント争いを演じるライバルたちが逆転できないことから、ポイントリーダーであるコバライネンのタイトル獲得がラリー北海道のスタート前に確定していた。

 最高峰のJN1クラスでチャンピオンに輝いたコバライネンは「北海道は良くなかったけれど、タイトルを獲得できたことは自分にとってもチームにとっても良かったよ」とのこと。さらに「R5でシーズンを戦うことは初めての経験だったし、JN1クラスには経験豊富なドライバーが多いからね。正直、タイトル争いを演じる自信はまったくなかったけれど、ターマックで何回か勝てたことで、ようやくタイトルを狙えるかも……と思えてきた。久万高原ラリーではハプニングがあったけれど、あの経験で多くのことを学べたし、その後もチームのサポートもあって、少しずつ進化を重ねることでチャンピオンを獲得することができたと思うよ」とコバライネンはタイトル獲得の要因を語る。

 こうして1戦を残してチャンピオンに輝いたコバライネンは「最終戦は勝ちたい。もっとハードに攻めるつもりだけど同時に安全に走ることも学びたいね」と語った。ラリーハイランドマスターズでは、“フライングフィン”の渾身のアタックが見られるに違いない。