F1イタリアGPでは、ポールポジションスタートのシャルル・ルクレール(フェラーリ)とそれを追いかけるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とで戦略が分かれた結果、フェルスタッペンが勝利を手にした。しかしレッドブルは、戦略が勝敗を分けたとは考えていないようだ。

 パワーユニット交換により7番グリッドからスタートしたフェルスタッペンは、早々に2番手までポジションアップし、ルクレールを追いかけた。そんな中、11周目にセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)のマシンがストップしてバーチャルセーフティカー(VSC)が出されると、フェラーリはルクレールをピットに呼び込んで新しいタイヤを履かせた。

 早めのタイヤ交換を行なったことで、ルクレール陣営は2ストップ作戦に切り替えた。一方でフェルスタッペンは1ストップ作戦を採り、レース後半からルクレールの前に立ちはだかった。

 結果的にフェラーリがあのタイミングでピットストップを行なったのは失敗だったのではないかという声もあがる中で、レッドブルのクリスチャン・ホーナーは、あの時点ではVSC時のピットインが有効だったと考えている。実際、もしルクレールがVSC中にピットに入っていなければ、フェルスタッペンをピットに入れる準備が整っていたという。

「彼らがなぜああするのかは分かっていた」とホーナーは言う。

「我々のマシンの方が速かった、それだけだと思う。戦略的には彼らは正しかったと思う。今回は我々がより速いパッケージを手にしていただけだ。それ(戦略)とは無関係に我々が勝ったと思っている」

 またフェラーリのマッティア・ビノット代表は、フェルスタッペンと同じ戦略を採った場合に純粋な速さやタイヤの保ちも劣っていると序盤から自覚していたため、何か別の方法を試す必要があったと語った。

「今思えば、セーフティカー(VSC)が出た時の判断は正しかったと思っている」

「シャルルが良いペースなのは分かっていたが、マックスの方がタイヤのデグラデーションの面で優れていて、彼の方が既に速いペースを刻むようになっていった。彼と同じ1ストップのままにしていても、遅かれ早かれ抜かれていただろう」

「だから我々に残されたチャンスは、戦略を変えることだった。ピットレーンを走っている時にVSCが終わってしまい、潜在的な恩恵を完全に受けられなかったのは少しアンラッキーだった。ただそれでも全体的にはマックスの方が速かったし、勝つのは厳しかったと思う」

 ビノットはさらにこう続け、速さで勝る相手に勝つには戦略を変えるしかないと繰り返した。

「自分たちより速いマシンに勝つことは難しいことではなく、不可能なことだ」

「基本的により速いマシンが勝つし、そうならないのは戦略で失敗した時だけだ」

「どんな戦略を採っても彼(フェルスタッペン)は勝っただろうが、シャルルを2ストップ作戦に変更したことは間違った選択ではなかった。レース後半に何が起こるか分からないからね。長いスティントになったマックスのタイヤデグラデーションがどうなるかは分からなかった」

「例えば後ろにいたジョージ(ラッセル/ラッセル)は、シャルルとの差が相当ついていた。だから全体としてはリスクではなく、ギャンブルというよりはポジティブな選択になったと思う」