マクラーレンのアンドレアス・ザイドル曰く、過去にセーフティカー(SC)先導で決勝レースが終了することを避けるべく提案が行なわれたことがあったものの、F1チームが合意に至ることは無かったと明かした。

 ヨーロッパラウンドの締めくくりとなるイタリアGP。その決勝レースでは、マクラーレンのダニエル・リカルドのマシンストップにより、レースは5周を残してSCが出動。マシン回収と周回遅れの処理を完了するだけの時間は残っておらず、SC先導のままチェッカーを迎えた。

 そのため、SC運用を巡る議論が再燃している。

 最終ラップのレース再開でチャンピオンシップが決着した昨年のアブダビGPとは異なり、今回のイタリアGPではレースコントロールがレギュレーションに則した運用を行なった。ただ、アンダーグリーンでのレースフィニッシュを期待したファンの胸の内は晴れない展開となった。

 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表も、チームのマックス・フェルスタッペンが優勝したものの、少なくともファイナルラップはレースを行なうべきだったとして、SCフィニッシュを避けるべく赤旗を提示すべきだったと語っていた。

 しかしマクラーレンのザイドル代表によると、SCフィニッシュ回避のために提案が行なわれたものの、チーム側が解決策に合意できなかった過去があるという。

「昨年のアブダビGPの後、FIAとF1、そして関係する全てのチームの間で、レースがSCで終了することがないようにするためにはどうルールを修正すべきか、多くの議論が行なわれていた」

 ザイドルはイタリアGP後にそう明かした。

「FIAとF1が解決策を見出すよう強く求め、我々F1チーム次第だったが、ほぼ全てのチームが変更に合意しなかった。より良い解決策……つまりスポーツの結果という点では、まだ公平な解決策に到達できなかったからだ」

「だから残念なことに、今回のような事態が起こる可能性を受け入れるしかないんだと思う」

 ザイドルは、FIAとF1はレースが常にアンダーグリーンで終了するようにレギュレーションを変更する手段を見つけようと”一生懸命”努力したが、チームとしては競技性よりもスペクタクルが優先されるという懸念を拭えなかったという。

「我々はただ、スポーツ面でも公平で、突然崖から突き落とされることのない解決策を望んでいる」

 そうザイドルは言う。

「だから、今以上のモノに合意はできなかったんだ」

「最終的に、レギュレーションは現状のままで良いということになった。私の記憶では、どのチームもそう投票したはずだ。それでこの話はこれでおしまいだ」

 レースが確実にアンダーグリーンで終了するために考えられる選択肢のひとつとして挙げられるのが、レース終了から一定の周回内にSC出動が必要となった場合に、自動的にレッドフラッグが提示されるというようレギュレーションに書き入れることだ。

 この提案をアルピーヌのスポーティングディレクターであるアラン・パーメインに伝えると、彼は「聞こえは良いが、否応なく意図しない結果が起こるだろう」と一言加えた上で次のように語った。

「でも前にあったことだし、去年のバクーでやったけど、良かったよ」

「レギュレーションに書いても良いんじゃないかな。おかしいとは思わない。詰まるところ、我々はショーをするためにここにいるのだ」

「(イタリアGPでのSCフィニッシュは)明らかに受け入れがたいモノだった」

「SC先導でフィニッシュするのは誰だって嫌だし、惨めなモノだ。ファンにとっては本当に惨めだった。我々はベストを尽くせなかったのだ」

「ただ、残り50kmでSCが出るたびにレッドフラッグを出すというような型にはまったことはしなくてもいいかもしれない。それよりもSCの手順を正しく理解し、より迅速な対応ができるように取り組むべきなのかもしれない」

「問題は、レース後半にSCが出動すること、周回遅れのマシンを処理する必要があることだ。我々はこの状況を改善する手段について延々と議論してきたが、その手段を変えることで意図していない結果がたくさん出てくるのは間違いない」