スポーツランドSUGOで行なわれた2022スーパーGT第6戦。GT300クラスの優勝を飾ったのは、2号車muta Racing GR86 GTだった。

 シーズン残り3戦となったスーパーGTが、“魔物が棲む”とも言われるスポーツランドSUGOに今年も帰ってきた。GT300クラスは、予選から波乱に見舞われた。

 予選Q2で最速タイムをマークしたのは、96号車K-tunes RC F GT3。しかし予選後車検でサクセスウエイトの一部が搭載されていなかったことが判明し、タイム抹消となったことでポールポジションは61号車SUBARU BRZ R&D SPORTとなった。2番グリッドは60号車Syntium LMcorsa GR Supra GTで、2列目にはJLOCの2台が入った。

 決勝日は正午ごろまでは雲が多いながらも局地的に強い日差しがあったが、レーススタート時刻の14時が迫るにつれて雲行きが怪しくなっていく。雨もぱらぱらとは降ったものの路面状況を大きく変えるには至らず、気温28℃、路面温度35℃というコンディションで84周の決勝レースがスタートした。

 なお、4号車グッドスマイル 初音ミク AMGは谷口信輝が虫垂炎によって欠場。片岡龍也ひとりでのレースとなるため規則上完走はできないが、規定で許された周回まで走行することを目指し、ピットレーンに戻ってスタートを迎えた。6号車Team LeMans Audi R8 LMSはどうやらエンジンのシリンダーにトラブルがあったようで、こちらもフォーメーションラップ直前にピットに戻ってからスタートした。

 レースは開始直後からセーフティカーが出された。9号車PACIFIC hololive NAC Ferrariの木村武史が3コーナーのスポンジバリアにクラッシュしてしまったのだ。その後4周目には、トップ10がグリッド順通りという状態でレースが再開された。

 JLOCの2台が60号車を交わし、トップの61号車を追いかけていこうという中で、14周目頃から強い雨が降り始めた。31号車apr GR SPORT PRIUS GT、50号車Arnage MC86らグリッド下位の車両らが真っ先にウエットタイヤへと交換する中、61号車の井口卓人も16周目にピットに向かいタイヤを替えた。

 各車続々とウエットタイヤにスイッチする中で、ステイアウトを選択した7号車Studie BMW M4、11号車GAINER TANAX GT-R、10号車TANAX GAINER GT-R、88号車Weibo Primez ランボルギーニ GT3らがトップ集団を形成。ピットイン組のトップは61号車だったがペースが上がらず、武藤英紀が駆る55号車ARTA NSX GT3が61号車をオーバーテイクした。

 当初はウエットタイヤ組と遜色ないタイムを刻んでいたドライタイヤ組だったが、雨脚がさらに強くなってきた30周ごろまでに続々ピットインすると、トップは55号車になった。

 55号車は39周目にピットイン。これでトップに立ったのは、加藤寛規がドライブする2号車muta Racing GR86 GT。彼らは14周という早いタイミングでウエットタイヤに替えており、ウエットでの第2スティントを伸ばしながら大きなマージンを築いていたのだ。

 レースは50周を越え路面も大部分が乾いてくる中、今度は各車がドライタイヤに交換するためピットイン。2号車もこのタイミングで入り、後続を走るGAINERの2台に1分以上のマージンを築いてコースに復帰した。

「序盤にウエットタイヤに交換→中盤にドライバー交代のルーティンストップ→後半にドライタイヤに交換」という3ストップを採ったチームはタイムをロスし「序盤はドライタイヤで粘り、中盤にドライバー交代+ウエットタイヤに交換→後半にドライタイヤに交換」という2ストップのチームが軒並み上位に来た今回のレース。2号車は「序盤にウエットタイヤに交換→中盤ステイアウトし、後半にドライバー交代+ドライタイヤに交換」という2ストップ戦略が完璧にハマった形だ。

 2号車は最終的に独走状態を保ったままトップチェッカー。今期初勝利を挙げた。2位、3位は11号車、10号車のGAINER勢が入り、4位は56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが続いた。これでポイントランキングは、トップの藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(56号車)に富田竜一郎/大草りき(10号車)が4点差まで迫り、3番手には安田裕信/石川京侍(11号車)が浮上。GT-R勢が上位を独占する形で残り2戦に向かう。