スペインのモーターランド・アラゴンでMotoGP第15戦アラゴンGPの決勝レースが行なわれた。激しい争いを制して優勝したのは、グレシーニのエネア・バスティアニーニだった。

 アラゴンGPはレースウィークを通じて晴天に恵まれた。決勝日は気温25℃、路面温度が42℃というコンディションでレーススタート時刻を迎えた。

 なお決勝グリッドは、フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)がポールポジションを獲得。2番手には僚友のジャック・ミラー、3番手にはバスティアニーニとドゥカティ陣営が並んだ。

 ポイントリーダーのファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)は6番手、日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は12番手からのスタートだ。

 スタートは大きな混乱無く、ドゥカティ勢が好調なスタート。しかしそれも束の間で、その後は波乱の展開が続いた。

 まずクアルタラロはターン5の立ち上がりでマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)に追突。マルケスのバイクが振られ、避けきれずに接触してしまった形だった。クアルタラロはレースに復帰できず、ここでリタイアとなった。

 さらにターン8で、マルケスは中上貴晶(LCRホンダ)とも接触。中上はこの接触の結果転倒を喫してしまい、後続のマシンはコース上の中上を間一髪で避けなければならなかった。

 序盤2名の転倒に絡むことになったマルケスだが、マシンからは煙もあがるなどダメージがある状況。彼はピットに戻ると、そのままリタイアとなった。

 コース上では、バニャイヤが先頭を引っ張り、2番手にミラー、3番手バスティアニーニというトップ3の並びで接戦が繰り広げられた。

 クアルタラロのノーポイントが確定しているため、トップを走るランキング2番手のバニャイヤ、そして5番手を走るランキング3番手のアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)はできるだけ多くのポイントを稼ぎ、タイトル争いの差を縮めたいという展開だ。

 3番手を走るミラーはペースが上がらず、6周目から7周目に欠けて立て続けにオーバーテイクを許してしまう。その結果、バスティアニーニが2番手、ブラッド・ビンダー(KTM)が3番手、エスパルガロも4番手に浮上した。

 トップを走るバニャイヤだが、圧倒的なペースで逃げていくというわけではなく、2番手のバスティアニーニとは0.5秒ほどの差。その差もバスティアニーニによって徐々に詰められていた。

 バスティアニーニは8周目にバニャイヤを捉えてオーバーテイクを決めた。しかしその次の周、ターン12で止まりきれずオーバーラン。再び2番手に戻ってしまった。

 ライバルのミスによって、バニャイヤは0.8秒ほどのギャップを得ることができた。今度はなかなかバスティアニーニも差を縮めきれず、バニャイヤは0.5秒ほどの差を維持。しばらくはこの距離感での走行が続いた。

 緊張感漂う2台の付かず離れずの走行は10周ほど継続した。バスティアニーニは終盤にかけて徐々に距離を縮め始めると残り5周で0.3秒差まで接近。再びプレッシャーをかけ始めた。

 残り3周、既にトップ2名はテールトゥノーズ状態で、まるで前戦サンマリノGPの優勝争いを、2台が逆のポジションで再現するかのような形になっていた。

 バスティアニーニはバックストレートで迫るものの、バニャイヤは非常に深いブレーキングを見せてトップを譲らない。そして、勝負はラストラップに持ち越された。

 再びバックストレートでバスティアニーニが攻めるかと思われたが、バスティアニーニはその手前、意表をつくターン7でイン側に飛び込んでいった。バニャイヤもこれは防ぎきれず、トップが入れ替わった。

 バニャイヤも最後まで追いすがったが、わずかに及ばず。バスティアニーニが今シーズン4勝目を挙げ、2位はバニャイヤとなった。その差はわずか0.042秒と、僅差も僅差だった。

 また3位争いではエスパルガロが残り2周の終盤に、ビンダーをオーバーテイク。5月のイタリアGP以来の表彰台を獲得した。

 今回、ポイントリーダーのクアルタラロがノーポイントに終わったこともあり、ポイント差は僅差に。クアルタラロは2番手のバニャイヤに10ポイント差、3番手のエスパルガロには17ポイント差まで迫られてしまった。

 なお、アラゴンGPをもってドゥカティは今シーズンのコンストラクターズチャンピオンの獲得が決まった。

 次戦は9月23日からホンダ、ヤマハ、スズキの母国戦となる日本GPが開催される。3年ぶりのもてぎ戦はタイトル争いが接戦となっていることもあり盛り上がりを見せそうだ。