スポーツランドSUGOで行なわれたスーパーGT第6戦。GT300クラスで10位に入った25号車HOPPY Schatz GR Supraにとっては、待望の初入賞であった。

「本当に一言、嬉しいです」

 そう語るのは土屋武士監督。今季から自社製作のGRスープラを投入して以降、その道のりは平坦ではなかった。

 開幕前の2回の公式テストの内、前半の岡山テストを欠席。富士テストでシェイクダウンを行ないシーズンを迎えたが、入賞に届かないレースが続いた。その後鈴鹿でのテストでクラッシュもあり第4戦富士を欠場したが、マシンを修復、エンジンも新調して臨んだ第5戦鈴鹿で、ようやく車両が“完成形”になったという。

「前回の鈴鹿でようやくクルマが“完成”しました。これまでも(レースに)出てはいたけど、完成形ではありませんでした」

「高負荷の鈴鹿での夏場の450kmレースで開発を進めて、それまで前半でやっていてズレていたことを工場で修正しました。今回が“初めてのレース”でした。これでようやく、スタートラインからスタートを切れたと思います」

「走り切れるクルマ、それが完成したということです。これまでもクラッシュや不具合など色々ありましたが、ようやく全開で走れるクルマになって、どういうパフォーマンスが出るのかという部分にようやく取り組めるようになりました」

 土屋監督自身も、姉妹車の244号車HACHI-ICHI GR Supra GTを含めてステアリングを握っての実走テストを行なっているが、25号車スープラの持つポテンシャルの高さは確認済み。今年スープラにかけられた性能調整は「条件さえ合えば勝てるところにあるが、チャンピオンを獲れるところにはない」と評価するが、「それを含めても楽しくやっています(笑)」と笑う。

 実際、今回のSUGO戦で25号車は高いポテンシャルを見せた。もちろんサクセスウエイト0kgという要素も一因にあるかもしれないが、公式練習、予選共に6番手タイムをマークすると、決勝でも雨が降ったり止んだりする難しいコンディションのレースにおいて、いち早くウエットタイヤに交換する作戦で一時はクラス上位に。ホッピーカラーのピンクの車両が上位を争う姿が久々に見られた。

 今回獲得したポイントはわずか1ポイントではあるが、これはチーム、そしてそれを支えるスポンサーやサポーターにとって非常に大きな1ポイントでもあると土屋監督は語る。

「たった1ポイントかもしれませんが、我々にとっては大きな1ポイントです。それは支えてくださっているスポンサーの皆さんやサポーターの皆さんも同じだと思います」

「1ポイントでこんなにたくさんの人が喜んでもらえるクルマはないんじゃないか、というくらい、たくさんの人に喜んでもらえています。優勝したらどうなっちゃうんだろう、と思います」

「自分たちでクルマを作ってレースができる、という環境を作ってくださっている方々に感謝の気持ちでいっぱいです。支えていただいている皆さんにありがとうと言いたいですし、この1ポイントは胸を張れる1ポイントです」

「プライベーターとして『つちやエンジニアリング』という看板を背負っている中で、『頑張る方がいい』ということを具現化するのが使命だと思っています。これからも歯を食いしばってやるぞと。金はないけど(笑)」

「我々がこうやって走れている意義は、多かれ少なかれあると思うんですよ。だから走れる内はひたすら頑張るのみだと思っています」