MotoGP第16戦日本GPの決勝レースが9月25日(日)に行なわれた。最高峰となるMotoGPクラスは、ドゥカティのジャック・ミラーが独走優勝を果たした。

 3年ぶりの開催が実現した日本GP。予選日の土曜日こそ雨に降られてしまったが、決勝日は抜けるような青空が広がった。Moto3クラスでは佐々木歩夢が3位、Moto2クラスでは小椋藍が優勝したことで、ファンの興奮も最高潮に達する中、MotoGPクラスの決勝レースが行なわれた。

 雨の予選では、レプソル・ホンダのマルク・マルケスが手術から復帰後2戦目で驚異のポールポジションを獲得。ヨハン・ザルコ(プラマック)が2番手、ブラッド・ビンダー(KTM)がフロントロウに並んだ。

 ポイントリーダーのファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)は9番手。ランキング2番手のフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が12番手、同3番手のアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)は6番手と、タイトルコンテンダーが中団位置で縦に並んでのスタートだ。

 日本勢最上位は19番手の長島哲太(Team HRC)。スズキの津田拓也が21番手、右手を負傷し、予選では転倒もあった中上貴晶(LCRホンダ)は25番手からのスタートとなっている。

 トラブルを抱えてしまったのか、スタート直前にアレイシ・エスパルガロがピットレーンに飛び込み、マシンを乗り換えるというまさかのシーンもある中、ホールショットを奪ったのはビンダー。ホルヘ・マルティン(プラマック)が2番手につけ、マルケスが3番手となった。クアルタラロは9番手、バニャイヤ12番手とポジションを上げられずに1周目を終えた。

 マルケスが徐々にポジションを落としていく一方、マルティンが首位に。2番手にもジャック・ミラー(ドゥカティ)がつけ、ドゥカティ陣営がワンツー体制となると、3周目にはマルティンを交わしたミラーが首位に躍り出た。

 ミラーはそこからファステストラップをマークする速さを発揮。マルティンには追い抜き返すことを許さず、0.5秒ほどのギャップを築いてそのままフィニッシュを目指す体制に入った。

 マルティンは徐々にミラーから離されてしまい、残り15周となる頃には1.5秒以上の差が2人の間に横たわった。一方で3番手争いに対しては、マルティンも3秒近いギャップがあるなど、レースの焦点は3番手争い、ひいてはタイトル争いの行方に移りつつあった。

 残り15周、ワイルドカード参戦で憧れの舞台に立つことになった長島が、ターン2で転倒。なんとか再始動を試みた長島だったが、最終的にここでリタイアとなった。

 残り13周となったところでは、ジョアン・ミルの代役として参戦している津田のマシンが勢いよく炎上するトラブルが発生。津田はターン2出口にマシンを止めると、マシンは消火剤まみれとなり、ここでリタイアとなった。

 なお津田に発生したトラブルとの関連は不明だが、スズキは残り9周でアレックス・リンスもリタイア。今季限りでMotoGP撤退が決まっているため最後の日本GPとなっていたが、スズキにとっては苦い終わり方となってしまった。

 こうしたトラブルなどもある中、トップを快走するミラーはどんどんと2番手マルティンとの差を拡大。残り10周で4秒と巨大なリードを築くまで至った。

 ミラーはこのまま見事な逃げを続け、余裕のトップチェッカー。今シーズン初優勝を挙げた。2番手争いは終盤、マルティンがビンダーに追いつかれてしまう。ファイナルラップまでバトルが続いたものの、見事な追い抜きを見せたビンダーが2位、マルティンが3位となった。

 4位はポールシッターのマルケス。一時5番手までポジションを下げたが、終盤にオーバーテイクも見せ、完全復活が近いことを予感させるレースとなった。

 注目のタイトル争いだが、ポイントリーダーのクアルタラロは8番手走行中、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)を抜きあぐねている間に、バニャイヤが接近。終盤2周でランク首位と同2番手のバトルが繰り広げられる展開となった。

 しかしバニャイヤは最終ラップのターン4で転倒を喫してしまう。転倒後、バニャイヤはレース復帰はできず、リタイアに終わった。

 そしてスタート直前にトラブルがありピットでマシン乗り換えの必要があったエスパルガロは、最後方から追い上げを見せたが16位。ポイントは獲得できなかった。

 クアルタラロは8位という結果に留まったものの、バニャイヤ、そしてエスパルガロのタイトル争いのライバル2人がノーポイントに終わったこともあり、リードを18ポイントまで拡大。合格点を与えられるレースになったと言えそうだ。

 そして右手の怪我にもかかわらずレースへ挑んだ中上貴晶は、20位でレースを完走。3年ぶり開催で集った母国ファンの目に、奮闘する姿を刻みつけた。