2019年以来3年ぶりとなるF1第17戦シンガポールGPが開幕。フリー走行1回目は、メルセデスのルイス・ハミルトンがトップタイムをマークした。

 気温30度、路面温度37度、湿度は74%と赤道直下のシンガポールらしいコンディションの中、60分のセッションがスタート。昨年F1デビューを果たした角田裕毅(アルファタウリ)やミック・シューマッハー(ハース)、今季のルーキー周冠宇(アルファロメオ)にとっては初体験となる。

 ただ、走行経験のあるドライバーにとっても、新規定のマシンでは今回が初めての走行。そのため、序盤から多くのドライバーが夕日に照らされたコースで走行を開始した。

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の戴冠阻止のためにも、シンガポールGPでは是が非でも好結果を出したいシャルル・ルクレール(フェラーリ)だが、コースイン直後にブレーキトラブルが発生……ピットインを強いられ、ルクレールはマシンを降りた。

 ジョージ・ラッセル(メルセデス)がブレーキングで止まりきれずバリアに軽く接触するシーンもあったが、序盤から各ドライバーは精力的に走り込んだ。ドライバーの半分がミディアムタイヤ、もう半分がハードタイヤを履いた。

 マクラーレンやアルファタウリは、ふたりのドライバーで新旧パーツの比較テストを実施していた。

 ミディアムタイヤのフェルスタッペンは序盤に1分45秒466をマークすると、さらに自身のタイムを更新。1分44秒236と、チームメイトのセルジオ・ペレスに1秒以上の差をつけていた。

 セッション開始から20分が経過すると、走行を続けていたドライバーが徐々にピットイン。その時点ではフェルスタッペンとペレスの間に、フロアのアップデートを投入してきたアルピーヌのフェルナンド・アロンソが割って入るというトップ3だった。

 ルクレールはマシンを降りている時間も長かったが、ここで再びコースイン。他のドライバーがソフトタイヤへ徐々に切り替える中、ハードタイヤでの周回を続けた。

 ソフトタイヤを履いたペレスが1分43秒839でトップタイムを塗り替えたが、フェルスタッペンが1分43秒117で再びトップを奪還した。他のドライバーもタイム計測に出たが、ここで赤旗が提示される。ミディアムタイヤながらも4番手と波に乗っていたランス・ストロール(アストンマーチン)だったが、ターン5でリヤを流し左リヤタイヤをウォールにヒットさせてしまったのだ。

 赤旗が振られる中、コース上に止められていたストロールのマシンは回収され、残り16分からセッション再開。カルロス・サインツJr.(フェラーリ)は、赤旗前にソフトタイヤでタイム計測を行なったが、最終コーナーの縁石に乗り、ウォールに激突しかけた。サインツJr.同様にルクレールも計測を実施したが、トップのフェルスタッペンには0.3秒及ばなかった。

 フェラーリ勢とは異なり、ソフトタイヤでの予選想定ラップを赤旗前に行なっていたレッドブル勢はミディアムタイヤにスイッチして走行を再開した。ただ、ペレスのマシンにはトラブルが発生……パワーを失ったことで、ペレスはピットインを強いられた。

 バンピーなシンガポールでは、再びポーパシングやバウンシングといった問題が再発するのではないかとも言われていたメルセデスだったが、残り時間が少なくなる中でハミルトンが新品のソフトタイヤで1分43秒033をマークし、フェルスタッペンのトップタイムを塗り替えた。

 そのままセッションが終了し、ハミルトンがFP1最速。フェルスタッペンが0.084秒遅れの2番手、ルクレールは3番手となった。

 最終盤マシントラブルが発生したペレスが4番手、ラッセルはチームメイトから1.003秒落ちの5番手となった。

 サインツJr.はタイム更新が果たせなかったこともあり6番手、好調アルピーヌのエステバン・オコンが7番手となった。以降、ストロールが8番手、9番手にピエール・ガスリー(アルファタウリ)、10番手にアロンソが入った。

 アロンソには終盤にギヤボックストラブルが発生。オイル漏れにより、彼にとっては満足の行くセッションにはならなかった。

 角田は、トップのハミルトンから3.048秒の遅れとなる1分46秒081で15番手。ここには、ガスリーとは異なる旧型のフロントノーズで60分のセッションを走ったことも、影響しているだろう。

 なお、前戦イタリアGPでは虫垂炎により欠場となっていたアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)もシンガポールGPではFP1から出走できており、16番手タイムを記録している。