2022年スーパーGT第7戦が10月2日、大分県のオートポリスで行なわれた。GT500クラスの優勝を飾ったのは17号車Astemo NSX-GTだった。

 今季のスーパーGTも残り2戦。タイトル争いも佳境となる中で、第7戦は過去6戦と比較してサクセスウエイトの搭載量が半分(獲得ポイント×2kg→獲得ポイント×1kg)になり、ランキング上位の車両も重い足枷をいくらか下ろした状態でのレースとなった。

 ただ、ランキング上位勢は予選で軒並みQ1敗退。ポールポジションを獲得したのは24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zで、100号車STANLEY NSX-GTが2番手フロントロウにつけた。

 迎えた決勝は気温26℃、路面温度は46℃と真夏のような高温。1周のパレードランと1周のフォーメーションラップの後、65周のレースがスタートしていった。なお、予選Q1でサッシャ・フェネストラズがスピンを喫してタイヤを痛めてしまった15番グリッドの37号車KeePer TOM'S GR Supraはピットスタートを選択した。

 佐々木大樹がステアリングを握るポールの24号車は、スタート直後こそ100号車の牧野任祐にプレッシャーをかけられたものの、ポジションをキープしたまま10周目にはそのギャップを5秒まで広げた。トップ5のオーダーはグリッド通りで変わらず、9番手スタートの12号車カルソニック IMPUL Zが6番手まで上がっていた。

 17周目、GT300クラスの車両が1コーナーでストップしたことでFCY(フルコースイエロー)が出され、各車はそれぞれの間隔を保ったままスロー走行。FCYが解除された直後のタイミングで、17号車Astemo NSX-GTが19号車WedsSport ADVAN GR Supraを交わして3番手に浮上した。

 22周を消化してレース距離の3分の1が過ぎ、ピットウインドウがオープンとなると、2番手の100号車らがピットに。翌周には3番手の17号車もピットインし、それぞれドライバーを交代した。その一方で、トップの24号車はその後も数周に渡ってステイアウトすることを選んだ。

 そんな中、25周目には23号車MOTUL AUTECH Zがスローダウンの後ピットへ。後にレースに復帰したものの、松田次生とロニー・クインタレッリがこの時点でランキング3番手につけていた23号車にとっては、タイトル争いに向けて痛いトラブルとなった。

 24号車は28周目(27周終了時)にピットに向かい、佐々木から平手晃平に交代したが、コースに復帰した時には17号車、100号車の先行を許す形となってしまった。

 39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraと37号車の2台のみがステイアウトし、レースは折り返し。ピットイン組のトップは17号車で、100号車、24号車、14号車ENEOS X PRIME GR Supra、12号車が続いた。

 39号車に続いて42周目に37号車がピットインして、これで全車がルーティンストップを消化。トップを走る17号車の1.2秒後ろに100号車、その2.2秒後ろに24号車と、優勝争いは僅差となっていた。

 しかしその後、17号車は100号車との差を広げていき独走状態に。終盤に激化したのは、100号車の山本尚貴と24号車の平手による2番手争いだった。平手は最後の最後まで山本にプレッシャーをかけるも、山本はペースが上がらない中でも巧妙にラインを抑え、ポジションをキープしていた。

 17号車は最終的に後続に13秒差をつけてトップチェッカー。今季初勝利を挙げた。2位は24号車平手を0.291秒差で抑えた100号車だった。ホンダ陣営にとっては、今季初のワンツーフィニッシュとなった。

 最終戦を残して、ドライバータイトルの行方は6組に絞られた。7位に入った3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zの千代勝正、高星明誠組が58ポイントで首位をキープ。以下12号車の平峰一貴、ベルトラン・バゲット組(55.5ポイント)、17号車の塚越広大、松下信治組(54ポイント)が僅差で続く。そして100号車の山本、牧野組(41ポイント)、37号車のフェネストラズ、宮田莉朋組(38ポイント)、14号車の大嶋和也、山下健太(38ポイント)にも逆転チャンピオンの可能性が残されている。