11月1日(火)に行なわれたSiriusXM NASCAR Radioの「The Morning Drive」のインタビューに応じたNASCARのスティーブ・オドネルCOOは、カップ・シリーズのプレーオフ準決勝でロス・チャスティン(トラックハウス・レーシング)が行なった大胆な”壁走り”は「ルールの範囲内」だと明かしている。

 バージニア州のマーティンズビル・スピードウェイで行なわれた決勝レース。チャスティンは最終ラップのターン3から敢えてSAFERバリアにマシンを突っ込むと、そのままバリアを擦りつけながら速度を上げ、チェッカーフラッグまでに5つのポジションを上げた。

 この大胆な走法により、チャスティンはフェニックスで行なわれるプレーオフ決勝に出場する4台のうち1枠を確保。初のドライバーズチャンピオンシップ獲得に向けて、土壇場で望みを繋いだ。

 チャスティンの1号車シボレー『カマロZL1』はSAFERバリアに”擦り下ろされ”ダメージは負ったものの、大きな損傷はなし。最終ラップのタイムは18秒845は、500周の7周目にカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ)が記録した20秒508という最速ラップタイムを大きく上回るモノだった。

 この動きはNASCARでも以前にもトライされたことはあった。最近では2021年9月にダーリントンで、ラーソンがデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング)に対して行なったことがあったが、成功した試しはなかった。

「初めて見るモノは何でもそうだが、一度見てみないと分からないものだ。我々はそうした動きと『もし起こったら』と社内では何度も議論が行なわれてきた」

 NASCARのチーフオペレーティングオフィサーであるスティーブ・オドネルはそう語る。

「あれはルールの範囲内であり、フェニックスに向けてもその土台は変わらないと考えているが、オフシーズンの評価対象になり得るだろう」

 チャスティンの壁走りは、ライバルやNASCARファン、そして他のカテゴリーのドライバーたちからも賛否両論を集めた。

 レース後、チャスティンのクリエイティビティを称賛するドライバーがいた一方で、フェニックスでのプレーオフ決勝以降にこの走法が乱用されることを恐れ、NASCARが違法とすることを願うドライバーもいたのだ。

 しかし今のところ、壁走りが禁止されることはなさそうだ。

「現時点では、ルールの範囲内の動きだった」

 オドネルはそう繰り返す。

「そして35回のポイントレースで問題がなかったルールを、36回目になって変更するのは正しいことだとは思わない」