ウェイン・テイラー・レーシングからアキュラのLMDh車両『ARX-06』を駆り、2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権へ参戦するフェリペ・アルバカーキ。IMSAでは最高峰クラスに参戦する一方で、2023年のFIA世界耐久選手権(WEC)やその中心的なレースであるル・マン24時間レースには、ユナイテッド・オートスポーツからLMP2クラスを走ることとなり、「ハイパーカークラス」で総合優勝を狙うことはできない。

 再びル・マンの”副賞”を争うことになったアルバカーキは、その状況に落胆を隠せないようだ。

 アキュラ/ホンダはIMSAにLMDh車両を投入する一方で、トヨタやポルシェ、フェラーリらが待つWECやル・マンには関心を示しておらず、参戦予定はないとしている。オレカベースのARX-06をWECに投入する場合には、北米ブランドのアキュラからホンダへとバッヂが改められると予想できるが、その可能性は現時点では見えてこない。

「現時点では、アキュラはIMSAだけにフォーカスしている」

 そうアルバカーキは言う。

「でもレーサーとしては、ガレージに総合優勝を狙えるマシンがあるにもかかわらず、2023年のル・マンにLMP2マシンで参戦するのは辛いことだ。あり得ないんだ」

「デイトナとル・マンの両方を走れるように、そしてメーカーの投資を最大限に活かすように、このレギュレーションが作られたんだ。それが実現しないとなると、ガッカリもするよね」

「アキュラはアメリカのブランドだから、日本のホンダの人たちがどうすべきかを考える必要がある。だから複雑なのは理解しているけど、僕らには戦う準備が整っているし、それに向けた経験もあるんだ」

 アルバカーキはWECで長きに渡りLMP2クラスを戦ってきたが、2014年〜2015年にかけてはアウディから3台目のLMP1車両を走らせ、最高峰クラスを戦ったことがある。しかしそれ以来、ル・マンで総合優勝を争う機会がアルバカーキに訪れることはなく、その状況がいかに辛いかを彼は次のように語っている。

「僕の本分はル・マンを走ることなんだ」と彼は言う。

「ル・マンは究極の目標だし、毎年参戦したい。トップクラスのLMP1からル・マンを始めたけど、その後は状況が一変した」

「8年間、トップクラスで走れることも、総合優勝を狙うこともできず、死ぬほど悔しい思いをしてきた。今(アキュラのLMDh車両で)チャンスがあると分かっていても、マシンはそこに投入されない……だから余計に辛いよ!」

「僕はまた、ル・マンで総合優勝を狙いたいんだ。ミラーを見るのも嫌になる。LMP2でドライブして優勝できたのは素晴らしいことだ。20〜25台もいるこのクラスは圧倒的に競争は激しいけど、究極とは言えない」