今季ここまで未勝利ながらも、コンストラクターズランキング2番手のフェラーリに迫りつつあるメルセデス。しかしチーム代表のトト・ウルフは、ランキング2位を手にするよりも、今年中に勝利を挙げることの方が重要だと語った。

 今シーズンは開幕から苦戦してきたメルセデスは未だ1勝も挙げることができておらず、2011年以来の未勝利シーズンとなる可能性がある。

 しかしその一方で信頼性は確保できており、着実にポイントを積み重ねてきた。そして最近ではそのパフォーマンスを改善しつつあり、コンストラクターズランキング2番手のフェラーリとの差を縮めており、現状での2チームの差は40ポイントである。

 もしランキング2位を手にできたのならば、厳しいシーズンを過ごしてきた中では良い結果だと言えるだろう。しかしながらウルフ代表は、コンストラクターズランキングでの順位を上げるよりも、レースに勝ってシーズンを締めくくることを望んでいる。

「勝つことができれば、我々のマシンが勝利を争える位置に戻ってきたという証拠になるだろう」

 ウルフ代表はそう語った。

「ランキング2番手は、他のドライバーがポイントを取りこぼしたために、我々がより多くのポイントを獲得できたということの可能性もある」

 ウルフ代表は、フェラーリを抜きたくないと言っているわけではない。しかしながら勝つことは、マシンのコース上でのパフォーマンスが上がったということを判断する基準になると言う。

「フェラーリはシーズン初めには最速のマシンを持っていた。だからランキング2番手になれれば、大いに慰めになるだろう」

 ランキング2番手になることについて、ウルフ代表はそう語った。

「彼らの前でフィニッシュできれば、素晴らしいことだ。しかし繰り返しにはなるが、それは我々にとっての最優先事項ではない。最優先にするべきは、マシンを理解し、速いクルマをコース上に走らせることだ」

 直近のアメリカGPとメキシコシティGPでは、メルセデスは勝利まであと一歩というところまで迫った。しかしながらタイヤ戦略の差により、そのチャンスを掴むことはできなかった。

 シーズン序盤の苦戦を考えれば、勝利を逃したことは残念だとしながらも、進歩を確認できたことについては満足していると、ウルフ代表は語る。

「我々はレーサーであり、目の前に勝利の可能性があるのなら、それを掴み取りたいと思うものだ」

 そうウルフ代表は語る。

「だから勝てなければ常にフラストレーションがある。我々は長い道のりを歩んできた。我々は勝利を目指してレースし、2台のマシンが表彰台を争うようになった。フェラーリは我々の後ろだ。だから勝利を目指しながらも謙虚でありつづけ、達成したことを評価する必要がある」

 メルセデスは、今季マシンW13の何が良くなかったのかをよく理解しているようで、2023年シーズンに向けマシンのコンセプトを切り替える可能性すらあるという。しかしながらウルフ代表は、予定されている変更により最前線に戻れると保証されているわけではないと覚悟している。

「私は決して自信を持っているわけではない」

「どんな時でも、楽観視するようなことはない。ポジティブな部分はまだ何もないのだ。レッドブルが9連勝したと聞いたばかりだ。そんな中で、2位と4位になったと言っても、過剰に評価するわけにはいかない。彼らに追いつくには、まだまだ長い道のりがある」

「まだ来シーズンまでには冬の期間がある。マシンに関しては、良い開発ができていると思う。我々が見つけることができたいくつかのことは、ダウンフォースを数段階増やすよりも、大きな一歩かもしれない。しかし、チャンピオンシップを争えるポジションを取り戻すために、持てる力を全て出し切りたいと思っている」