ロス・チャスティンは、マーティンズビル・スピードウェイで行なわれたNASCARカップ・シリーズのプレーオフ”Xfinity 500”の最終ラップで、マシンをコースアウト側のウォールに擦り付けて走る前代未聞の”ミニ四駆走法”を披露。これで5台抜きを実現し、プレーオフ準決勝へと駒を進めることになった。

 この走法についてNASCAR側は合法だとしたものの、ライバルのドライバーからは疑問を呈する声も挙がっている。

 1998年王者ビル・エリオットの息子であり、自身も2020年にチャンピオンに輝いた経験を持つチェイス・エリオットは、チャスティンのドライビングについて疑問があると語った。

「仕事を成し遂げるためにしなければならないかったことをやり遂げた。そういう意味では確かに称賛に値するよ。僕はそれを完全に尊重しているし、ある程度尊敬にも値すると思う」

 エリオットはそう語ったが、諸手を挙げて称賛しているわけではないようだ。

「でも、僕らのスポーツの景色から一歩下がって見ると、少し恥ずかしいことだと思う」

「NASCARは全てのマシンの能力を同等にするために、多くの時間と労力を費やしてきた。ビニールの破片を間違った場所に取り付けただけで、クルーチーフが数週間停職されることもある。そして今回のやり方でコースレコードを更新し、誰よりも2秒も速く走ったんだ。それは、僕らが行う完全性という観点からして、適切なのだろうか?」

「僕には分からない。僕が何かを言うべきことではないかもしれない。確かに興味深いことだけど、結局は僕は個人的には気にしない。僕はただ先頭に立ち、誰からも十分に離れたところを走りたいだけだ」

 前述のとおりNASCARはこの走りを合法だと判断。今週末にフェニックスで行なわれるチャンピオンシップレースで、ルールに変更を加えるつもりはないことを明らかにしている。しかしながら今後については、オフシーズンに検討される予定となっている。

 今回のような”ミニ四駆走法”を禁止すべきかどうかについてエリオットは、答えるのが難しい質問だと語った。

「それに答えるのは難しい。今でも多くのルールがあるし、これ以上多くのルールが加わることを支持してはいない」

「エンターテインメイントの価値を確保する、微妙なラインにあると思う。エンターテインメントと誠実さの境界線……これはバランスを取るのは本当に難しい」

「ソーシャルメディアでは、リツイートやいいね、そしてお気に入りなどをかなり手にした。でも残念ながら、僕は少しやりすぎだったと思う」

「でも僕の意見では、好む好まざるに関わらず、シリーズにとって何が正しいか、そして何が間違っているか、その意思決定プロセスに関与するべきじゃないと思う」