2022スーパーGT第8戦(最終戦)の決勝レースがモビリティリゾートもてぎで行なわれた。GT300クラスの優勝は55号車ARTA NSX GT3で、シリーズチャンピオンには56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rの藤波清斗、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組が輝いた。

 GT300クラスは、最終戦を前に6チーム8名のドライバーにシリーズタイトルの権利が残されていた。ポイントリーダーは2年ぶりのタイトルを目指す藤波清斗、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R/52点)、同2番手は連覇を狙う井口卓人、山内英輝組(61号車SUBARU BRZ R&D SPORT/49.5点)、そして同3番手はルーキーの大草りき(10号車TANAX GAINER GT-R/46点)……この3チームにはいずれも自力タイトルの可能性が残っていた。

 予選でポールポジションを獲得したのは55号車ARTA。2番手は18号車UPGARAGE NSX GT3で、NSX勢がフロントロウに並んだ。56号車リアライズが7番手、10号車GAINERが8番手につけた一方、61号車SUBARUは予選でクラッシュがあり16番手からと厳しい位置からのスタートとなった。

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 決勝レースは13時にドライコンディションでスタート。18号車UPGARAGEの小林崇志が首位に立ち、55号車ARTAの木村偉織がそれを追いかける形となった。

 レースは波乱に波乱が重なった。9周目には、GT500クラスの36号車au TOM'S GR Supraと3コーナーで接触した30号車apr GR86 GTがスピン。後続のマシンが玉突き事故を起こし、25号車HOPPY Schatz GR Supraらも戦列を離れることになった。

 この事故によりFCY(フルコースイエロー)が出され、後にそれがセーフティカーに変わったが、セーフティカーラン中にも大きな事故が発生した。ホームストレート上で、5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号の冨林勇佑に、31号車apr GR SPORT PRIUS GTの中山友貴が追突してしまったのだ。2台のマシンが大破する大きなクラッシュとなったが、幸いふたりは歩いてマシンから離れることができた。ただメインストレート上には、多くのデブリが散乱する格好となり、セーフティカーランが長引くことになった。

 21周目にレース再開。ピットウインドウがオープンとなるレース距離3分の1を過ぎたことで上位陣も徐々にピットインしていくが、トップを走っていた18号車UPGARAGEはピット作業を終えた後、走り出す際の加速が鈍く、大きくタイムロス。ライバルの先行を許す形となった。

 代わってトップに立った55号車ARTAは36周目にピットイン。既にピットインを済ませていた中で上位につけていた52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT、10号車GAINER、56号車リアライズらの前でコース復帰することに成功した。

 そんな中、43周目に56号車リアライズを悲劇が襲う。右前輪が突如脱落してしまったのだ。緊急ピットインでタイヤを交換して再スタートしたデ・オリベイラだったが、大きく順位を落としてしまい、タイトル獲得の可能性は潰えたように見えた。

 これにより、タイトル争いの流れは10号車GAINERの大草に傾いた。55号車ARTA、52号車埼玉トヨペットに次ぐ3番手につけていた富田竜一郎が駆る10号車GAINERは、そのままポジションをキープすればチームメイトの大草がチャンピオンになる、そんな状況だった。

 ただ残り10周頃から、10号車GAINERのペースが落ち、ライバルに次々交わされていく。なんとか5番手で耐えていたが、あとひとつでもポジションを逃す……そんな状況だった。もし10号車GAINERがポジションを落とせば、2番手を走る52号車埼玉トヨペットの川合孝汰がチャンピオンに輝くという形だったが、52号車も安泰ではなかった。

 52号車埼玉トヨペットと、10号車GAINERの背後には、それぞれベテランが駆るJLOCのランボルギーニが迫りつつあった。52号車の後ろには、松浦孝亮が乗る#87 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3が、10号車GAINERの後ろには小暮卓史の#88 Weibo Primez ランボルギーニ GT3が急接近したのだ。

 まず松浦が52号車埼玉トヨペットを攻略し、一方で富田は88号車Weiboを必死の防戦で抑えた。しかし最終ラップの2コーナーで力尽き、小暮の先行を許すことになった。

 55号車ARTAは首位を守りきりポールトゥウィン。今季は苦しいレースが続いていたが、今季初勝利を手にした。2位は87号車Bamboo Airways ランボルギーニ GT3、3位は52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTだった。

 10号車GAINERは8位でチェッカー。61号車スバルも20位に終わった。この結果、タイヤが脱落したことで大きくポジションを落とし、19位ノーポイントでフィニッシュした藤波、デ・オリベイラ組が、2020年以来2度目のタイトルを手にすることとなった。