モビリティリゾートもてぎで開催されたスーパーGT最終戦。GT300クラスのランキング2番手で臨んだ61号車SUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人、山内英輝にとっては苦しいレースウィークとなり、最終的には20位フィニッシュ。シリーズ連覇を逃した。

 練習走行から予選Q1までは順調にパフォーマンスを発揮していた61号車。しかしQ2では、山内が各区間で好タイムをマークしながら周回するも、最終コーナー立ち上がりで縁石に乗ってスピン、クラッシュしてしまい、16番手スタートという厳しい状況でレースを迎えることとなった。

 これについて山内は「(ゼブラゾーンの外側にある)緑のところまでは落ちていない。正直、あそこまで下(フロア)が当たるとは思っていなかった」と語っていたが、小澤正弘総監督もこれには不運な要素があったと考えている。

「ゼブラの先に青(緑)のゾーンがあって、そこまで踏み落とすと(フロアが)当たってしまいます。あの時はタイヤ半分もはみ出していなかったので普通は当たりません」

「ただ、その手前のコーナーでそれなりに縁石を踏んでいたので、車両がバウンドしながらあそこのコーナーに来ました。ちょうどそのバウンドでガツンと当たってしまい、リヤが浮いてしまったんです」

 一夜明けて決勝日も61号車にとっては受難の1日となった。決勝前のウォームアップ走行はほとんどの時間をガレージで過ごし、メカニックがボンネットを開けて作業している姿が映し出されていた。その作業はスターティンググリッド上でも続き、スタート15分前にようやくボンネットが取り付けられた。

 これについて小澤総監督は、ターボエンジンのターボラグを解消するためのアンチラグシステムに不具合が生じていたと明かした。このトラブルはレース中にも起きていたが、ドライバーがうまく対処していたという。

「アンチラグのシステム周りのトラブルが出ていて、うまくエンジンが回らないという状態でした」

「アンチラグが入ったり入らなかったりしていました。2Lターボエンジンを積むマシンでアンチラグが切れると、ピーキーでしょうがない。トラクションかけるのが難しいですから。でもドライバーがうまく乗りこなしてくれました」

「最高速が8km/hくらい落ちたので、(ピットに)入れないとまずいかなと思いましたが、井口選手が色々いじってくれて、(アンチラグシステムを)オフにすればまともに走れるというのを見つけてくれたので、その辺り使い分けしながら走りました。山内選手はアンチラグなしでも1分50秒というタイムを連発してくれましたので、非常に助かりました」

 最終的にガス欠によりチェッカーは叶わなかった61号車。燃費的にもかなりギリギリの戦略を取っていたようで、小澤総監督も「ガス欠は僕の責任です」としながらも「ああいう位置から戦う分には良い作戦だったと思います」と話した。

 苦しんだレースウィークだったが、その中でもチーム一丸となってうまく乗り切れたレースだったと小澤総監督は語る。そこには一定の満足感があるようだ。

「山内のアタックにしても、アンチラグのトラブルにしても、全開で走らせないと分からない部分でした」

「みんなでこれがベストだと思ってトライして、それがうまくいく方向に結び付いたので、僕自身としては思い出に残る面白いレースだったと思いますし、満足しています」

 そして最後に小澤総監督は、タイトル奪還を目指す来季は“強さ”に磨きをかけたいと語った。

「今年もですが、我々は強いチームを目指しています」

「目標は全戦ポイント獲得、全戦10位以内です。それを達成できるようにクルマの強さを上げたいです。速さは良いところに来ているので、これ以上速さを尖らせるのではなく、尖ったエッジを丸くして、強さを上げていくことができれば、来年全戦ポイント獲得という目標が達成できると思います」