ハースF1は、2023年のケビン・マグヌッセンのチームメイトを検討中であり、ミック・シューマッハーとの契約を継続するか、それとも経験豊富なニコ・ヒュルケンベルグを迎え入れるか、ふたつの選択肢が有力だと考えられている。

 ただ、ヒュルケンベルグが加入するということになれば、実に興味深いこととなる。ヒュルケンベルグとマグヌッセンは、かつて論争の的となったことがあったのだ。

 最も有名なのは、2017年のハンガリーGPでの出来事だ。同レースの決勝で、当時ルノーのドライバーだったヒュルケンベルグは、タイヤ交換に手間取ったことで大きくポジションを落とし、当時もハースのマシンを走らせていたマグヌッセンの後方でコースに復帰した。ペース自体はヒュルケンベルグの方が圧倒的に速かったため、すぐにマグヌッセンの真後ろについたが、なかなかオーバーテイクすることができず……結局61周目に両者接触。ヒュルケンベルグはこれでリタイアすることになった。この接触はマグヌッセンに非があるとされ、5秒のタイム加算ペナルティを科されることになった。

 レース後ヒュルケンベルグはマグヌッセンに歩み寄り、「グリッド上で最も汚いドライバーだ!」と口撃。マグヌッセンもこれに反撃した。

 ただそれから5年以上が経過。ふたりの関係は長引いているわけではないという。特にマグヌッセンは、経験豊富なヒュルケンベルグのようなドライバーがチームメイトになることは、ポジティブであると語っている。

「ニコとはもう、全く問題ないと何度も言ってきたと思う」

 そうマグヌッセンは語った。

「彼のことは、レーシングドライバーとして尊敬している。彼の個人的なことはよく知らないけどね。でもレーシングドライバーとしては、ずっと彼のことを尊敬してきた。だから僕としては問題ないよ」

「彼が2台目のマシンに乗るかどうか、僕は何も意見を持っていない。ミックは現時点では良い仕事をしている。今年の彼は、序盤にいくつか問題を抱えていたし、クラッシュもいくつかあった。でも、確実に今の彼は速くなった」

 ヒュルケンベルグはここ数年、”スーパーサブ”の名をほしいままにしている。2020年にはレーシングポイントで3戦代役を務め、うち2戦で入賞。さらに2022年には、シーズン序盤2戦をセバスチャン・ベッテルの代役としてアストンマーチンのマシンを走らせた。

 ただアストンマーチンは、来季リザーブドライバーとしてストフェル・バンドーンとフェリペ・ドルゴビッチのふたりと契約。ヒュルケンベルグの出番がなくなったこととなり、一躍ハース加入の可能性が高まったと考えられるようになった。

 ヒュルケンベルグはメキシコGPの週末にServus TVのインタビューに応じ、ハースとの交渉については楽観的に考えていると語った。

「結局のところ、僕が決断することではないよ」

 そうヒュルケンベルグは語った。

「僕が決められることではない。まだまだ話し合いが続いていく。楽観的には考えているけど、もう少し辛抱する必要がある」

 シューマッハーは、自身の能力をチームに訴える時間が少なくなってきていると認識している。ただその一方で、自分にコントロールできなことに気を取られても仕方ないとも、シューマッハーは語る。

「僕は自分の仕事をするためにここにいる。それをうまくやるためにここにいるんだ」

 そうシューマッハーはメキシコで語った。

「それが僕が集中していることだし、僕がコントロールできることの全てだ」

「僕はベストを尽くそうとしているだけ。そして、それが僕がここにいる理由だ」