MotoGP2022年シーズンの最終戦、バレンシアGPが11月6日に開催された。このレースはスズキにとって文字通り“最後”のレースとなった。

 スズキは今年5月、2022年シーズンを最後にMotoGP参戦を終了させることを検討中だと、唐突な発表を行なった。この衝撃的な発表には運営のドルナも一方的な参戦終了はできないという声明を出す事態となったが、結局スズキの方針が覆ることはなく、7月には正式に、今季限りでの参戦終了が発表された。

 2012年から一度は参戦休止をしていたスズキは、2015年グランプリシーンに復帰。2016年にはマーベリック・ビニャーレスの手で復帰後初優勝を果たし、2020年にはジョアン・ミルが20年ぶりのチャンピオンを獲得するなど、実績を残してきた。

 しかし経済状況や近年の自動車業界が直面する環境の変化を要因に、前述のようにMotoGP参戦終了が決定……グリッドで最もバランスのとれたバイクとも言われたGSX-RRは2023年から姿を消してしまうことになった。

 最後のレースとなったバレンシアGPでは、アレックス・リンスが5番グリッドからスタートを切ると最高の蹴り出しを見せてホールショット奪って先行。追走してきたホルヘ・マルティン(プラマック)との神経戦を制し、スズキのラストレースで優勝を果たすという、非常にドラマチックな結末となった。

 スズキのMotoGPプロジェクトリーダーを務めてきた佐原伸一は、レース後に次のようにコメントを寄せ、これまでのファンの応援に感謝するとともに、MotoGPの今後の発展を願った。

「2022年11月6日は今シーズン最終戦であると同時に、チームスズキエクスターにとって最後のMotoGPレースとなりました。2012年から2014年まで3年間の休止期間を経て2015年にMotoGPに復帰し、2016年にはイギリスGPで復帰後初優勝、2020年にはシリーズチャンピオン獲得と、まさに再起を果たすことができたのは、応援いただいたファンの皆さんの支えがあったからであると思っています」

「そして、このプロジェクトを共に作り上げ戦ってきた仲間にも感謝の言葉しかありません。ライダー、レース現場のスタッフ、浜松の開発陣も含めて、ファミリーという言葉が最も相応しいチームであったという自信と誇りを持っています」

「レース撤退に伴いこのチームが解散してしまうのは本当に寂しいことです。私自身、最終戦は泣かないつもりでいましたが、レースが終わりこのファミリーとの別れが現実のものになったときには、熱くこみ上げるものを止められませんでした」

「このプロジェクトの関係者それぞれが新しい未来に向かって力強く進んでくれることを望んでいます。最後にチームを応援してくださったファンの皆さんにお願いです。どうかこれからもMotoGPを観て、好きなライダーやチームを応援して盛り上げて下さい。本当にありがとうございました」

 またテクニカルマネージャーの河内健は、スズキの戦闘力を証明できたと語った。

「最後のレースで優勝という素晴らしい結果で有終の美を飾ることができました。撤退が決定されてからも諦めずに頑張ってくれたライダー、チーム、そして日本で開発してくれたみんなの努力の賜物だと思います」

「フィリップアイランドで優勝した時も言いましたが、今日の優勝で我々はまだまだ十分コンペティティブであることを証明できたと思います。撤退しなければいけないことは非常に残念でなりませんが、今まで応援してくださった皆さん、そしてこのプロジェクトに関わってくださった全ての皆さんに改めてお礼を言いたいと思います。ありがとうございました」