フェラーリのマッティア・ビノット代表は、シーズン後半に勢いを増すメルセデスの進捗具合について、心配していないようだ。

 大きく技術規定が刷新された2022年シーズンをタイトル候補としてスタートしたフェラーリ。しかし、レースを追う毎にレッドブルが勢いを増し、シーズン最終盤を待たずに両タイトルを決め、シーズン終盤ではフェラーリが『F1-75』のパフォーマンスを発揮できず……加えて、シーズン前半でポーパシング対応により大いに苦しんだメルセデスがペースを取り戻してきたことで、レッドブルの直接的なライバルにすげ変わることも珍しくなくなってきた。

 序盤でつまずきこそしたものの、メルセデスのV字回復傾向は、来季チームが再びタイトル争いに加われるだけの可能性を示唆しており、『W13』から来季はコンセプトを一新すると見られている。そのため、今季マシンパフォーマンスを最大限に活かせなかったフェラーリが、来季は王座を争えない残念なシーズンを送るというシナリオもありえなくもない。

 しかしフェラーリのビノット代表は、フェラーリとメルセデスの現時点での構図が来季の勢力図をそのまま写している訳ではないと考えている。曰く、フェラーリは焦点を2023年へ移し、F1-75への開発を早期に切り上げていたというのだ。

「メルセデスは我々よりもマシンを開発しているから(上位争いに)戻ってきたのだ」

 そうビノットは言う。

「2023年に集中するために、かなり早い段階でクルマの開発を止めたということは、我々自身もよく理解している。だから開発の速度についてはあまり心配していないのだ。自分たちが開発を終えたタイミングを理解しているからね」

 フェラーリは7月のオーストリアGPでシャルル・ルクレールが勝って以降、勝利から遠のいている。一方、レッドブルはそれ以降全てのグランプリを制し、日本GPでマックス・フェルスタッペンがドライバーズタイトル、アメリカGPでコンストラクターズタイトルを決めた。

 シーズン後半でのフェラーリとレッドブルとの差は明確ではあるものの、悪くはないレースもあったとビノットは言う。

「確かに最近のレースをみ見ると、いつも素晴らしいとは言えない結果だった。しかしシンガポールではとても競争力があったと思う」

「日本はウエットで速さが無かったが、驚きはなかった。予選でもそうだった。アメリカのオースティンでは、予選こそ競争力があったが、決勝では期待したほどではなかったと思う」

「(メキシコでは)かなり悪くなっているが、シンガポールでは競争力があり、日本はそれほど悪くはなかった。アメリカでは予選が良かったから、同じ傾向ではないと思う」

「でもまずは何が起きているのか、メキシコでの主な問題が何だったのかを分析し、少なくともサンパウロを含む残り2戦での競争力を取り戻すことをが先決だ。そこでより良い結果を目指して戦いたい」