今シーズン、DAMSからFIA F2に参戦している岩佐歩夢は、来季もFIA F2に継続して参戦することになりそうだ。また、岩佐同様にFIA F2参戦中のリアム・ローソン(カーリン)は、日本のレースに参戦するために来日するとともに、F1のリザーブドライバーを務める方向で調整が進められているという。

 レッドブルのモータスポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、ドイツのモータースポーツメディアである”Auto Motor und Sport”のインタビューに、次のように語った。

「(アイザック)ハジャーは来季F2を走ることになるだろう。(ジャック)クロフォードは引き続きF3の予定だ。岩佐もF2を続けるだろう。新しいドライバーもいるが、それは今後発表する。ローソンはF1テストでとても速かった。彼は来年日本でドライブし、我々のF1リザーブドライバーも務めることになるはずだ」

 岩佐は昨年1年間をFIA F3で戦い、今シーズンからFIA F2に昇格。開幕直後からコンスタントにポイントを獲得し、ポール・リカール戦ではフィーチャーレースで優勝、ハンガロリンクでは圧倒的な速さでポールポジションを獲得した。

 前回のモンツァ戦では予選でクラッシュ。スプリントレースでは苦労しノーポイントに終わったものの、フィーチャーレースではマシンが本調子ではない中粘りの走りを見せて後続を抑え、3番手でチェッカーを受けた。これでランキング4番手となり、スーパーライセンス獲得にグッと近づいたかに見えたが、レース後の車検でプランクが規定以上に削れてしまったことが明らかになり、無念の失格。ランキング9番手でアブダビでの最終ラウンドを迎えることになっている。

 ただ岩佐は、ランキング3番手のローガン・サージェント(カーリン)には21ポイント離されているものの、ランキング4番手のジャック・ドゥーハンとは12ポイント差であり、十分逆転可能な数字だと言える。岩佐は2020年のフランスF4でチャンピオンになっており、今季ランキング4位以内に入れば、スーパーライセンスの獲得に必要なスーパーライセンスポイント40を満たすことになる。

 マルコのコメントの通りとなれば、岩佐にとって来年のF2での2年目は、まさに勝負の1年ということになるだろう。

 先日行なったmotorsport.comの日本版のYouTube Liveで、レッドブル・レーシングのコンサルタントを担う山本雅史は、岩佐について次のようにコメントした。

「ハンガリーのポールは見事でした。あれにはマルコさんも感動してました。このままの流れで来年もう1年行ってほしいですよね」

「彼は四輪のレース経験がほとんどないなかで、すごく頑張ってる。学習能力が高い。自分がやれることは全てアタックする人ですね。そういう意味では、人間力はどんどん強くなる。その部分でサポートしてます」

 一方で、ローソンの来日というトピックも非常に興味深い。レッドブルは2017年、前年のGP2(現F2)でチャンピオンに輝いたピエール・ガスリー(現アルファタウリ)を来日させ、スーパーフォーミュラに参戦させた。初挑戦の日本でのレースだったにもかかわらず、ガスリーはもてぎとオートポリスで連勝。SUGOでも2位に入り、チャンピオン争いを展開。最終戦鈴鹿が台風により中止になったことで王者獲得とはならなかった、F1への足ががりをつけた。

 ガスリーの後にも、ダニエル・ティクトゥムやパトリシオ・オワード、ユーリ・ビップスらがレッドブルのドライバーとして来日し、スーパーフォーミュラを戦った。motorsport.comの取材によれば、ローソンもスーパーフォーミュラに参戦することになるとみられる。参戦チームはTEAM MUGENになる可能性が高そうだ。

 ローソンの他にも、来季のスーパーフォーミュラには新進気鋭の若手外国人ドライバーが多く参戦する可能性が高まっている。

 ひとりは、フォーミュラ・リージョナル・アメリカズの今季チャンピオンを獲得し、HPD(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)のスカラシップを獲得したラウル・ハイマンだ。このHPDのスカラシップを獲得すれば、スーパーフォーミュラ参戦へ向けた全面的なサポートを受けられることになっており、まずは12月7〜8日に鈴鹿サーキットで開催されるルーキーテストに参加する見込みだ。

 また、今季のFIA F2でランキング2番手につけているテオ・プルシェールも、スーパーフォーミュラのルーキーテストに参加することになると見られている。プルシェールは来季フォーミュラEに参戦するサッシャ・フェネストラズの後任としてKONDO RACINGに加入することを模索していると言われているが、F2残留の可能性もあり、まだまだ流動的である。

 さらにF1参戦経験を持ち、今季はスーパーGTのGT300クラスで#6 Team LeMans Audi R8 LMSを走らせ、さらにはF2に代役参戦して表彰台を獲得したロベルト・メルヒも、スーパーフォーミュラのシートを狙っていると見られる。