トヨタは、FIA世界耐久選手権(WEC)の最終戦バーレーン8時間レースを前に、来季の新型ハイパーカー投入を否定。現行のGR010ハイブリッドにアップデートを施し、新たに参入してくるライバルたちを迎え撃つことになる。

 LMHの技術規則では、マシンの開発が厳しく制限されている一方で、5シーズン(2021年1月から2025年12月)までの間に、最大2台のホモロゲーションを取得することができるとされている。

 来季はフェラーリやポルシェ、キャデラックといった新たなライバルたちがWECハイパーカークラスに加わる予定であり、トヨタも新型車両でそれに対抗するのではないかと考えられていたのだ。

 TOYOTA GAZOO Racingヨーロッパのテクニカル・ディレクターであるパスカル・バセロンは次のように述べた。

「我々はGR010をキープする。我々は学習を続け、より良いものにしていくつもりだ」

「我々の仕事は、進化が必要なモノに対して進化をさせることだ」

 LMH車両は開発が厳しく制限されているが、技術規則では5シーズンに5回まで、”エボ・ジョーカー”と呼ばれるパフォーマンスアップデートが認められている。

 バセロンは進化(エボリューション)という単語を使いつつも、来季に向けてエボ・ジョーカーを使ったアップデートを行なうかどうか、すでにジョーカーを使用した回数についても明言を避けた。

 2022年に向けてトヨタはGR010の前後タイヤサイズを変更したが、これはLMDh規則とのすり合わせの一環であり、ジョーカーにカウントされていないようだ。車両の最低重量が削減されたことにより、ワイドなフロントタイヤを活かすことができる重量配分が実現できなくなってしまったのだ。

 同時に空力面でも、エンジンカバーのドーサルフィンをより高くより長くするなど、空力面でも大きな変更が加えられている。

 バセロンは、GR010にとって3年目となる2023年の進化は、今季に向けた変更よりも「より繊細なもの」になると語り、ジョーカーを使うまでもない「信頼性、整備性、クルマをメンテナンスしやすくすること」に重点を置くことを示唆した。

 また、2023年仕様のGR010は1月までテストを実施しない予定であるという。

 なお新型車両の開発についての質問には、「マシンの進化を準備するスタッフがいることは認める」とバセロンは答えている。

 GR010は、2021年にドライバーズタイトルとマニュファクチャラーズタイトルを獲得。ル・マン24時間レースも先代のTS050から引き続き勝利し、2022年に5連覇を達成している。

 最終戦を前に、トヨタは8号車のセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮がアルピーヌ36号車のドライバーと同ポイントで並んでいる。