スポンサーを務めていた暗号通貨取引所である「FTX」が破産を申請したことにより、メルセデスは同社のスポンサーロゴの掲示を続けるという方針を転換。契約を停止し、ブラジル・サンパウロGPで同社のロゴをマシンから削除することを決定した。

 FTXはサンパウロGPのFP1開始の約1時間前に、グループ会社130社が米国連邦破産法第11条の手続きを開始したことを正式発表した。この第11条はチャプター11と呼ばれ、日本の民事再生法に相当するとされている。これに伴い、サム・バンクマン・フリードCEOが退任となっている。

 FTXのトークン「FTT」の価格が今月になって急落。顧客が資金引き出しに殺到したことを受け、一気に危機に陥った。顧客預金の不正使用疑惑でアメリカの証券取引委員会(SEC)による調査が迫る中、メルセデスは目まぐるしく変化する状況に対応するための行動を起こした。

 当初、メルセデスはサンパウロGPの週末にFTXのロゴをクルマや装備などに残すとしていたが、金曜朝にチームの広報担当がMotorsport.comに、この契約を停止したことを認めた。

 メルセデスは「第一段階として、FTXとのパートナーシップ契約を停止した」と述べた。

「これは、今週末からFTXが我々のレースカーやその他のブランド資産に登場しないことを意味する。今後も事態の推移を注意深く見守っていく」

 FTXの先行きが不透明な中、同社が近年展開したF1を含む様々なスポンサー契約にも疑問の声が挙がっている。

 2021年末にメルセデスと結んだ複数年契約のほか、NBAマイアミ・ヒートの本拠地であるアリーナでは1億3500万ドルで2024年までの命名権契約を締結し、「FTXアリーナ」に改名。メジャーリーグでは公式暗号通貨ブランドとなっていた。

 今年のF1マイアミGPでは、FTXはサウスビーチでライブミュージックやデモランを含む「Off the Grid」という大規模イベントを実施していた。

 F1では他にも多くのチームが暗号通貨関連の企業とスポンサー契約を結んでいるが、メルセデスのトト・ウルフ代表は、潜在的なビジネスチャンスを無視するのはスポーツとして間違っているとの考えを示していた。