F1サンパウロGPの予選でポールポジションを獲得したハースのケビン・マグヌッセンは、こんな結末は予期していなかったと語った。

 まさに大波乱の結末だった。このサンパウロGPの予選は、開始時には路面が濡れている状態であり、Q1最初のアタックは各車ともインターミディエイトタイヤを装着しての走行だった。

 その後は路面が乾き、各車ドライタイヤでアタック。Q2も、そしてQ3最初のアタックも、各車ドライタイヤを履いていた。ただQ3開始時には雨が降り始めており、その後も徐々に雨脚が強まっていくのは確実と見られていた。

 そんな中、1回目のアタックを終えた段階でトップタイムを記録していたのはマグヌッセン。そしてその直後にメルセデスのジョージ・ラッセルがコースオフしたことで赤旗中断。その赤旗中断中に雨脚は強まり、コースに出たマシンもタイム更新はならず。結局マグヌッセンが自身初のポールポジション獲得を決めた。

 本来ならマグヌッセンは、今季F1を走っていなかったはずのドライバーだ。当初ハースは、ニキータ・マゼピンと契約を交わしていた。しかしながらロシアがウクライナに侵攻した影響により、チームはマゼピンとの契約を解除。開幕直前にマグヌッセンがシートを手にすることとなった。そんな中からポールポジション獲得……まさにシンデレラストーリーだと言えよう。

「なんて言えばいいのか分からないよ」

 マグヌッセンは予選終了直後のインタビューでそう語った。

「チームはまさに、適切なタイミングで僕をコースに送り出してくれた。僕は最初にピットレーンに出て、まともなアタックをした。そしてポールポジションを手にした……信じられないよ」

「このチャンスを与えてくれた(チームオーナーの)ジーン・ハースやギュンター(シュタイナー/チーム代表)、そしてチームの全員に感謝したい。今年、1年ぶりにこのチームに戻ってきたけど、素晴らしい旅路だった」

 今朝起きた時、今回のような結果を期待していたかと尋ねられたマグヌッセンは、次のように語った。

「そんなのは程遠いよ。信じられないことだ。ありがとう」

 マグヌッセンはQ3最初のアタックを終えた後、チームから無線で「トップタイムだ」と伝えられた時に「冗談だろう?」と答え、さらに次のように続けていた。

「僕の人生で、こんなふうに感じたことは一度もない」

 そしてセッションが再開された後にタイムが更新されてしまう可能性もあるため、「まだ喜ばないように」とチームと自分自身を抑えていた。

 この予選結果により、マグヌッセンは土曜日のスプリントをポールポジションからスタートする。そのスプリントに向けてマグヌッセンは、次のように語った。

「スプリントでは、最大限のアタックをする」

「何か面白いことをしに行こう」