FIA世界耐久選手権(WEC)のシーズン最終戦バーレーン8時間レースの決勝が行なわれ、トヨタの7号車(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組)が総合優勝。2位となったトヨタ8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組)がハイパーカークラスのチャンピオンに輝いた。

 8号車と、アルピーヌの36号車が同ポイントに並んで迎えた最終戦。8号車はハートレーのアタックでポールポジションを獲得し1ポイントを加算したが、決勝レースを先にフィニッシュした方がチャンピオンに輝くという条件は変わらない。

 予選では性能調整(BoP)の変更で競争力を上げたプジョー93号車がトヨタ2台の間に割って入り2番手、プジョー94号車は4番手となり、タイトルを争うアルピーヌ36号車は5番手からのレースとなった。

 長い戦いの火蓋が切られると、8号車は順当に首位をキープ。トヨタ7号車は一時4番手に後退したが、すぐに3番手を取り戻した。

 ハイパーカークラスの5台は付かず離れずの位置で周回を重ねていくが、タイヤ摩耗の影響なのか、次第にトヨタ2台が優勢に。最初のピットストップで7号車が2番手に浮上し、ワンツー体制を築いた。

 するとレース開始2時間が経とうという頃、プジョー93号車がランオフエリアでストップ。ギヤにトラブルが発生したと訴えた。幸い93号車は動き出すことができたものの、このトラブルによって出されたFCY(フルコースイエロー)中に今度は94号車がコース上でストップ。システム再起動を強いられた。

 プジョー勢はこの後も、たびたびガレージにマシンを入れながらのレースに。これでアルピーヌ36号車が3番手に浮上した。

 トヨタ勢は、レース開始から3時間が経過したタイミングで2台のポジションを入れ替え、7号車が首位に。8号車はタイトルを争う36号車のひとつ前のポジションとなったが、トヨタ2台はアルピーヌを寄せ付けず。レース折り返しを前に36号車を周回遅れにし、2台で快走を続けた。

 結局、7号車は245周を走りきりトップチェッカー。2位には8号車が入り、チャンピオン獲得を決めた。来季からは、一気にハイパーカークラスの参戦車両が増えることが予想されるが、トヨタは王者として新たなライバルを迎え撃つことになる。

 アルピーヌ36号車は3周遅れの3位でフィニッシュ。アルピーヌはこの2シーズン、旧規定のLMP1車両を使って参戦してきたが、このマシンは今回がラストラン。LMDh車両で2024年にWECに戻ってくる予定だ。

 プジョーは94号車が6周遅れの4位。93号車はピットで長い時間を過ごし、最終的にリタイアとなった。シーズン途中で『9X8』をデビューさせたが、トラブルフリーのレースは来季までお預けとなった。

 LMP2クラスはFCYなどのタイミングで戦略が異なるマシンもあったが、レース中盤からは31号車WRTが首位をキープ。クラスチャンピオンには、このレースで3位となったJOTA38号車が輝いている。

 今季限りで終了することが決まっているLM-GTE Proクラスは、レース序盤からフェラーリ勢とポルシェ勢が接触上等の接戦を展開。当初はポルシェ優勢かと思われたが、タイヤマネジメントが弱点なのか、レースが進むにつれてフェラーリ勢に追い回されるようになった。

 FCYのタイミングがフェラーリ勢とコルベット63号車に有利に働いたことで、フェラーリがワンツー、コルベット3番手とポルシェにはつらい流れに。ポイントリーダーのフェラーリ51号車の戴冠は間違いないかと思われた。

 しかしレース残り2時間を切って、51号車にギヤボックストラブルが発生。4速が使えない、厳しい展開となった。僚友52号車が首位を守り、51号車が完走さえすればチャンピオンを獲得できるというポイント状況だったことから、51号車は爆弾を抱えたような状態のまま、1周10秒近く遅いペースで走行を継続した。

 最終的にフェラーリ52号車が優勝。2位にコルベット63号車、3位はポルシェ91号車と、表彰台を3メーカーが分け合った。51号車はなんとか完走。マニュファクチャラーズタイトルと合わせ、AFコルセ・フェラーリが2冠を達成した。

 LM-GTE Amクラスは、チーム・プロジェクト1のポルシェがワンツーフィニッシュ。46号車が優勝している。シーズンを通じて強さを見せたTFスポーツの33号車アストンマーチンがこのレースを4位で終え、クラスチャンピオンを獲得。D'station Racingの777号車アストンマーチン(星野敏/藤井誠暢/チャーリー・ファグ組)はクラス10位となった。