アルピーヌのエステバン・オコンは、F1サンパウロGPの終盤に出されたチームオーダーについて、その真相を語った。

 オコンはレース終盤にセーフティカーが出動した際、6番手セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)の後ろ、そしてタイヤを履き替えたばかりのアロンソの前という位置を走っていた。

 リスタート前、オコンはチームから無線でアロンソを前に出すように指示された。これに対し、オコンは「(状況が)もう少し落ち着いたらそうする」と答えている。

 そのやりとりは以下の通りだ。

エンジニア「フェルナンドは僕らよりタイヤのアドバンテージがある。彼に集中するのはやめよう。それからベッテルに勝つことに集中しよう。彼(アロンソ)を上手く、クリーンに通すんだ。お願いだ。同意してくれ」

オコン「レースをさせてくれ。(適切な)タイミングでそうするよ。もっと状況が落ち着いたらね。リスタートでは全てを失う可能性もあるんだ」

エンジニア「エステバン、フェルナンドと争ってほしくないんだ。理解できたか?」

オコン「ベッテルを抜かなければならない。フェルナンドとは戦わないよ」

エンジニア「大丈夫だ、ベッテルを抜いてもいい、フェルナンドとは戦わない。それがはっきりしている限りは……」

 前日のスプリントレースでは、オープニングラップでオコンとアロンソが同士討ち。予選で獲得した好結果が台無しとなっていたこともあって、このやりとりは注目を集めた。

 しかしオコンは、アロンソとバトルをするつもりはなかったと主張。まずは目の前にいたベッテルをパスしたかったと考えていたという。

 結果的に、オコンはリスタート直後にベッテルをパス。その後アロンソに安全にポジションを譲ることに成功した。最終的にアロンソは5位、オコンは8位でレースを終えている。

 オコンは無線でのやりとりについて、「あまりうまく伝わらなかったと思う」と語った。

「だって、みんな僕がフェルナンドを抜かせたくなかったと思っているんだ。僕が言ったのは、リスタートの時には彼を抜かせないということだ。僕はセブをパスするつもりで、そして状況が落ち着いてから、それを解決するつもりだった」

「僕は彼と戦うつもりはなかったし、前に行かせるつもりだった。そして僕はその通りにした。彼はソフトタイヤで速かったし、抑えることはできなかった。それに言うまでもなく、チーム全体でポイントを掴み取るべきだったんだ」

「だから、僕は自分の置かれている状況を理解していたし、チームがどうすべきかを指示する必要はなかったんだ」

 スプリントでの接触で、チーム代表のオットマー・サフナウアーから激しい非難を受けたアルピーヌの両ドライバー。オコンは決勝の結果にはチームは満足しているだろうと語った。

 また、アロンソとの間でスプリントでの一件は決着したかというmotorsport.comの質問に対しては、アロンソとは話していないと明かした。

「チームは今日の結果にハッピーだと思う。今日は今日で、昨晩は昨晩だ」

「(アロンソとは)話していない」

「彼がメディアで言ったことはあまりいいことじゃなかったんだ。僕はいつも彼を尊敬している。彼はレジェンドだし、僕は永遠に彼を尊敬し続けるよ」

「彼があなたたち(メディア)に何を言ったかは重要じゃない。僕は一緒に話すときのことを重視する」

 アロンソは来季、アストンマーチンに移籍する。チームの離脱が迫っている中で、彼に対する見方が変わったかと聞かれたオコンは「来年彼を打ち負かすモチベーションがさらに上がったよ!」とジョークを飛ばした。

 見事なリカバリーで、ふたりで14ポイントを獲得したアルピーヌ。コンストラクターズランキング4位を争うマクラーレンが決勝でダブルリタイアし、スプリントでの2ポイントしか獲得できなかったことで、アルピーヌのリードは19ポイントまで広がった。

「チームのためにもとてもうれしい。この段階での14ポイントは決定打になると思う。あと1戦しかないし、大きな余裕を持ってアブダビに臨める」とオコンは語った。

「僕たちがスタートしたところを考えると、クルマは本当に速かった。ふたつの異なる戦略を試したことも良かったと思っている。ひとつはもう片方よりも少しうまくいったが、どちらも完璧に戦略を実行した」

「でもリラックスはできない。最終戦に向けてクレイジーにプッシュしていかなければならないけど、少しプレッシャーが軽減されているのは確かだ」

 チームメイト同士のバトルや、チームオーダーが何かと話題となった今回のサンパウロGP。アルピーヌにおいては、終わりよければ全てよしといった具合だろうか。