WEC(世界耐久選手権)の2022年シーズンはトヨタ8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組)がチャンピオンに輝き、トヨタはWEC4連覇を達成した。

 今シーズン、LMP1マシンを使用して最高峰のLMH(ル・マン・ハイパーカー)クラスで競い合ってきたアルピーヌのニコラス・ラピエールは、トヨタは3連覇に値するとしつつも、最終戦でのバトルの欠如については憂いているようだ。

 今年は最終戦バーレーン8時間レースまでタイトル争いがもつれこみ、トヨタ8号車とアルピーヌ36号車の”先に”フィニッシュしたほうが年間王者となる構図だった。

 しかし迎えたバーレーン決勝ではトヨタ勢がライバルを圧倒。アルピーヌ36号車に2周差をつけて7号車が優勝し、8号車が2位となり、トヨタ勢のワンツーフィニッシュとなった。

 5ポイント差で敗れランキング2位となったアルピーヌ。ラピエールはトヨタ勢が今シーズン優れた仕事をしてきたことを称賛しつつも、トヨタの”楽な”タイトルへの走りはファンや視聴者にとって素晴らしいものではなかったと話した。

「確かに、タフなレースだった」と、ラピエールはmotorsport.comに語る。

「結果はとても分かりやすいもので、彼らはこの勝利に値するよ。チャンピオンに輝くのも普通のことだ。ちょっとその道のりにはフラストレーションがあるけどね」

「結局、バトルが無かった。トヨタは遥かに速くて、燃費も良いんだ。トップスピードも優れているから、トラフィックを処理するのも楽なんだ」

「彼らがタイトルを獲得するのは普通のことだ。しかしレーサーとしても、おそらくファンにとっても、こうした形での結末は素晴らしいモノでは無いと思う。最高のショーではなかった」

「そういうわけだ。でも僕らは前を向いていく必要があるし、今シーズンは上手くやってきたから、満足しないとね。新しい章に移った今は、さらなるチャレンジを始めていくことになる」

「トヨタは凄く強力なシーズンを過ごしてきた。おめでとう。彼らのマシンも速く、競争力があったよ。問題も無かったし、良い戦略を備えていた。つまり上手くやったということだ」

 なお旧規定のLMP1マシンを使用しているアルピーヌは、度々BoP変更を受け、出力減などの措置も受けた。そして最終戦でも富士6時間よりは若干戻されたものの、出力は減らされたままだった。

 このシステムがアルピーヌにとってフェアではなかったと思うかと尋ねられたラピエールは「それを判断するのは僕じゃない。でも、苦しんだのは確かだね」と答えている。

 そしてラピエールは今回のレースを振り返ると、プジョー勢2台が信頼性の問題でリタイアしなければ、彼らと戦う事になっていた可能性が高いとも語っている。

「プジョーはタイヤのデグラデーションが大きかったみたいで、僕らは接近していたんだ」

「正直に話せば、(リタイアがなければ)プジョーとの戦いになっていただろう。でもトヨタは”別世界”だった」

「予選で1.5秒の差となったところで、この差は予想できた。彼らが有利になるというのは、ほとんど分かっていたことだ。でももちろん、僕らもずっと良くしたいと思っていたんだ」