セバスチャン・ベッテルは今年7月、2022年シーズンをもってF1から引退することを表明。BMWザウバーからトロロッソ、レッドブル、フェラーリ、アストンマーチンで15年に渡って活躍し、F1世界チャンピオンを4度獲得という功績を成し遂げた輝かしいキャリアにピリオドを打つこととなった。

 そして、ヤス・マリーナ・サーキットで行なわれる2022年シーズンの最終戦アブダビGPで、ベッテルはF1ラストレースを迎える。

 ベッテルはF1引退後、家族と過ごす時間が増えることを楽しみにしているが、同時期のF1を戦ってきたメルセデスのルイス・ハミルトンは、ベッテルがいつかF1に戻ってくるはずだと考えているようだ。

 アブダビGPの週末に先立つ木曜日の記者会見に出席したハミルトンは、ベッテルが引退レースについて直接口を開く前に、2021年からF1復帰を果たしたアルピーヌのフェルナンド・アロンソを例に挙げて次のように予言した。

「ここに座って僕は考えていたんだけど、ほとんどの(F1)ドライバーは戻ってくる。彼が戻ってきたみたいにね」

「君(ベッテル)はきっと戻ってくるよ。僕らは他のドライバーが戻ってきたのを見てきたんだ。だから僕はここに座って、ある意味受け入れているんだ……これが君のラストレースだけど、君が戻ってくるということをね」

「F1には吸い込まれるように戻ってくるルートがあるんだ。他の色々なドライバーでそれは分かっていることだ」

 一方、ベッテルはF1以外のカテゴリーへの参戦も視野に入れている。ただ、まずはモータースポーツから離れる時間を持ちたいようだ。

「当然、他のことにも目を向けると思うけど、まだ答えは分からないよ」

 そうベッテルは語る。

「最初は何もしないで、どうなるのか見てみるのが結構楽しみなんだ。レース以外の興味やアイデアも沢山あるよ」

「でももちろん、長い間レースをしてきたし、僕の人生の中心だった。だから寂しくないと言うのは難しいと思うけど、どの程度、他のことに目を向け始めるのかは、その時の状況次第だね」

「どうしてか、僕はラリーが好きなんだ。ただ、クラシックなサーキットレースとはわけが違うから、大きな挑戦になると思うね」

 またアロンソに対して、ベッテルも自身のようにF1に復帰したくてたまらなくなるのではないかという質問が飛ぶと、アロンソはベッテルとは同じF1引退でも状況は異なると答えた。

 アロンソは2018年末に一度F1離れ、トヨタから世界耐久選手権やダカールラリーなどに参戦。しかし2021年にアルピーヌからF1復帰を果たし、2023年はベッテルの後任としてアストンマーチンに加入する。

「彼の心情が今どうなっているのか、僕には分からない」とアロンソは言う。

「でも2018年の僕は、フロントウイングにも『また会おう』と書いていたし、バイバイじゃなかったんだ」

「ある意味、僕の頭の中には常に2021年のルール(新型コロナの影響で2022年に導入延期された新技術規定)、そして戻ってくるチャンスがあったんだ」

「ただ、あの時点では、色々なチャレンジが頭の中にはあった。F1については頭に入っていなかった。だけど僕はF1が大好きだし、2021年には新しいルールが入って、それがチャンスになるかもしれないと感じていたんだ」