2022年のF1モナコGPで、セルジオ・ペレス(レッドブル)が故意に予選でクラッシュしたのではないかという”疑惑”が持ち上がっているが、FIAとしては今のところ調査を行なう計画はないという。

 当該の問題が今になって浮上してきた原因は、F1サンパウロGPにある。このレースでレッドブルはレース終盤に先行するマックス・フェルスタッペンに対し、ドライバーズランキング2位を争っているチームメイトのペレスのためにポジションを譲るようにオーダーを出した。

 しかしフェルスタッペンはこれを断固拒否。そのためペレスはシャルル・ルクレール(フェラーリ)と同ポイントで最終戦に挑まなくてはならなくなった。

 当然、この件は大きく取り扱われることになったが、フェルスタッペンはその原因について、「レッドブルとのちょっとした誤解」が理由にあると説明。”シーズン序盤に起きたこと”に関係しているとしながらも、その詳細については明かしていない。

 そして、そのシーズン序盤の出来事というのが、モナコGPのことなのではないかと噂されているのだ。

 この予選ではQ3のラストアタックでペレスがクラッシュし予選は赤旗終了。これにより、フェルスタッペンはポールポジションを獲得するチャンスを失い、最終的にペレスがレースを勝っているのだ。

 ペレスは当然ながら、モナコでのクラッシュは限界まで攻めた結果のアクシデントだと主張している。しかし当該ラップでのそれ以前と比較して異なるように見えるスロットルテレメトリーに関する疑問もあり、FIAが調査に乗り出す可能性があるという憶測にもつながっていた。



 しかしFIAとしては、この件に積極的に介入するつもりはないようだ。会長のモハメド・ベン・スレイエムは正式な申し立てが無い限り、FIAが介入する必要はないと語った。

「我々の側か調査したいという者はいなかったんだ」

 スレイエム会長はアブダビGPで英Autosports/Motorsport.comを含むいくつかのメディアに対し、そう語った。

「だがもし調査すべきことがそこにあるなら、我々は喜んで調査しよう。大事なことは、我々は問題があるならそれに対してためらったり、恐れたりはしないし、隠れることはないということだ」

「FIAとの間で問題があれば、自分で挙手するつもりだ。そして、私がそういったことをできないなら、組織は決して改善も進歩もしないだろう。保証しよう」

 なお実際に予選で故意にクラッシュしコースを塞いだとなった場合には、レギュレーション違反となる可能性がある。

 スポーティングレギュレーションの第37.5条には次のように記されている。

『フリーおよび予選セッションに参加した際、サーキットで不必要な停車をした、あるいは他のドライバーの妨げとなる不必要な行為を行ったと競技審査委員会に判断されたドライバーはすべて、第37条4項にあるペナルティが科せられる』

 またFIAの国際競技規則第12条2.1.c項には『競技の公正または自動車スポーツの利益を阻害する性質を有する詐欺行為または不正行為』が違反対象として規定されているため、こちらにも抵触する可能性がある。