FIA F2の2022年最終ラウンド、アブダビ戦のフィーチャーレースがヤス・マリーナ・サーキットで行なわれ、岩佐歩夢(DAMS)が優勝した。

 泣いても笑っても、これが今季最後のFIA F2レース。気温30度、路面温度41度というコンディションで、決戦の時を迎えた。ポールポジションにはDAMSの岩佐歩夢がつけ、2番グリッドにはチームメイトのロイ・ニッサニーが並んだ。

 スタートで抜群の蹴り出しを見せたのはニッサニーだった。ニッサニーは一時先頭に躍り出たかに見えたが、岩佐はそう簡単には行かせないと首位を取り戻した。3番手には4番グリッドスタートのフェリペ・ドルゴビッチ(MPモータースポーツ)が浮上した。

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 1周目、後方ではラルフ・ボシュング(カンポス)が他車と接触してスピン。コース脇にマシンを止めた。これにより、2周目にバーチャル・セーフティカーが宣言された。

 3周目のセクター3からレース再開。岩佐は後続との差を開いていきたいところだが、前日のスプリントレースに続いてセクター2のペースが上がらず、ニッサニー以下をなかなか引き離していくことができない。

 そんな中、7周目にドルゴビッチがニッサニーを攻略し2番手に浮上。またこの7周を終えた段階で、デニス・ハウガー(プレマ)とリアム・ローソン(カーリン)がピットに入り、ソフトタイヤからミディアムタイヤへと交換した。またニッサニーは8周目にテオ・プルシェール(ART)にも攻め立てられることになった。

 岩佐は8周を終えた時点でピットに飛び込み、ミディアムタイヤへと交換。チームは完璧なピット作業で、岩佐をコースに送り出した。プルシェールもこのタイミングにピットインしている。

 続く周回にはドルゴビッチ、ニッサニーらもピットイン。ドルゴビッチは岩佐の真後ろでコースに復帰したが、先にタイヤを交換していたローソンにプレッシャーをかけられることとなった。ただドルゴビッチはなんとかローソンの猛攻を凌ぎ、岩佐追撃体制を築いた。

 13周目、ドルゴビッチは岩佐にプレッシャーをかけ真後ろまで接近したが、止まり切れずにオーバーラン。これで岩佐との差が1秒以上に開き、その後徐々に差が開いていった。

 この時点で先頭を行っていたのは、ミディアムタイヤでスタートしていたジャック・ドゥーハン(ヴィルトゥオーシ)。後続に4秒以上の差を築き、一人旅状態だった。ただ、タイヤを交換した中で先頭の岩佐との差は24秒であり、ドゥーハンがピットストップをすれば、首位が入れ替わるのは明らかな状態だった。

 21周目、プルシェールがハウガーにプレッシャーをかけた。そしてハウガーはターン9で止まり切れずに大回りとなり、プルシェールが先行。ハウガーはポジションを落とす格好となった。

 岩佐はセクター3でタイムを失ったことで、一時ドルゴビッチに1秒差まで迫られてしまう。しかしその後踏ん張り、再び差を広げていく展開を作った。

 ドゥーハンとエンツォ・フィッティパルディ(チャロウズ)は、25周を走り切ったところでようやくピットイン。ドゥーハンは5番手あたりでコースに復帰したかに見えたが、左フロントタイヤがしっかりと装着されておらず、マシンから脱落してしまう。コース上をタイヤが跳ねる非常に危険なシーンだったが幸い大事故にはならず。しかしこれでドゥーハンはリタイアを余儀なくされた。

 そして、岩佐が首位に返り咲いた。ドゥーハンのタイヤを回収するために一時バーチャル・セーフティカーが出されたが、すぐにバトル再開。岩佐は1秒後方にドルゴビッチを従えて、レース終盤5周を迎えた。

 たださすがは今季チャンピオンのドルゴビッチ。徐々に岩佐との差を削り取り、その差が1秒以内となってしまう。

 30周目のセクター3で、上位を走っていたプルシェールがスローダウン。ズルズルとポジションを落とし、ピットインを余儀なくされた。

 31周目、ドルゴビッチが岩佐に急接近。しかしセクター3でオリ・コールドウェル(カンポス)がストップしたことで、イエローフラッグが振られ、岩佐にとっては救いとなった。そしてこのマシンを回収するためにバーチャル・セーフティカーが宣言。しかしこれはすぐに解除され、岩佐とドルゴビッチの残り1周のバトルが始まった。

 迫るドルゴビッチ、しかし抑える岩佐。ドルゴビッチは猛烈なプレッシャーをかけてくるが、岩佐はなんとか凌ぎ切る。ターン9ではドルゴビッチがアウト側から並びかけてきたが、ドルゴビッチは立ち上がりでコースオフしてしまい、これで勝負あり。岩佐がトップチェッカーを受け、今季2勝目を挙げた。

 2位にはドルゴビッチ、3位にローソン、4位はハウガーとなった。

 岩佐はレース後、「すごい厳しいレースだった。でも本当にありがとう」と無線で語りかけた。岩佐はこのレースの結果、ランキング5位でシーズンを終了。スーパーライセンス獲得に必要なランク4位にはひとつ届かなかったが、それでも実りあるレース、実りあるシーズンとなったと言えるだろう。

 佐藤万璃音(ヴィルトゥオーシ)は15位だった。