ウイリアムズ育成ドライバーのローガン・サージェントは、FIA F2の2022年シーズンをランキング4位で終え、スーパーライセンス発給に十分なポイントを獲得。ウイリアムズからF1参戦を果たす要件が整ったことで、まもなく2023年のレギュラードライバーとしてサージェントの起用が正式に発表される見込みだ。

 2022年シーズンのF1は、11月20日(日)のアブダビGP決勝で閉幕となったが、2日後には2023年に向けたポストシーズンテストが開始される。サージェントはウイリアムズからこのテストに参加し、今季のマシンFW44を走らせる。

 しかし、サージェントは来季のF1デビューに向けて、F1マシンでのさらなる走行機会を得られることになりそうだ。

 アルピーヌは好意により、今後数ヵ月間における2021年型マシンでの走行テスト実施をウイリアムズに申し出たという。

 なお、現行の旧型マシン(TPC)テストレギュレーションでは、2022年から大きく技術規定が変更されたことから、2021年型F1マシンを走らせることができるようになっている。アルピーヌは今年、オスカー・ピアストリやジャック・ドゥーハン、ニック・デ・フリーズ、アントニオ・ジョビナッツィをマシンに乗せてきた。非公式ながらサージェントもアルピーヌで走行を行なっているが、他チームからのF1本格参戦が決定したドライバーがテストに参加するのは異例のことだ。

 サージェントのテスト実施については、まだ正式な合意には至っていないものの、アルピーヌとウイリアムズが友好的な協力関係を築いているということを表している。その背景には、アルピーヌ育成出身のピアストリがマクラーレンへ加入する前に、アルピーヌが2023年シーズンはピアストリをウイリアムズへレンタルするという契約で交渉を進めていたという経緯もある。

 アルピーヌのオットマー・サフナウアー代表もmotorsport.comの取材に対して、「彼(サージェント)を、我々の旧型マシンに乗せて走らせることに抵抗はないだろう」と語り、次のように続けていた。

「(ピアストリに関する契約交渉で)ウイリアムズは我々に協力的だったし、ローガンにとってはF1マシンで走る経験は大きな助けになるだろう。今となっては2年前のマシンだが、それでも比較的最近だ。もし彼らが実施を決めたのなら、我々は喜んでテストする」

 ライバルチーム同士がこうした形で協力することは珍しいことなのか、とサフナウアーに尋ねると彼は次のように答えた。

「今のところ、願わくば、来年は彼らと争うことはないだろうね! でも、いずれは考え直さなければならない時が来るかもしれない」

「将来的にお互いが必要になった時のために、彼らとの関係を築いておくことは良いことだし、もし彼らを助けて少しでもお金になるのなら、そうしない手はない」

 そしてサフナウアーは、ピアストリでは実現に至らなかったものの、「請け負ってくれるところがあるというのは、良いことだ」として、育成のドゥーハンを将来的にウイリアムズからF1参戦させる可能性があることを認めている。

 なおウイリアムズのヨースト・カピト代表は、アルピーヌとの良好な関係について次のように語っていた。

「我々は全てのチームと友好的だと思う」

「レッドブルと友好的でなければ、アレックス(アレクサンダー・アルボン/元レッドブル・レーシング)の件は起こり得なかった」

「メルセデスについては、我々は良い顧客だし友好関係を築いている。我々はみんなと仲良くできていると思う。それに、コース上で争っているからといって、他のチームと仲良くできないということはないのだ」

 そしてサージェントのスーパーライセンス獲得については、カピトはこう語る。

「それは我々が目指してきたモノだ。だから、すぐにでも彼を確定できると思う。上手くいかなかった場合に詳しく説明していたであろうプランBには、様々な選択肢があったよ」