2022年シーズンのF1が終了し、アルファロメオはコンストラクターズランキングで6位を獲得。彼らは最終戦アブダビGPでは、ランキングを争う直近のライバルのアストンマーチンのレースを”邪魔する”戦略に賭けていたという。

 アルファロメオはアストンマーチンに対して、4ポイントリードの状態で最終戦に臨んでいたが、予選では周冠宇とバルテリ・ボッタスはともにアストンマーチン勢を下回る結果となり、レース次第では逆転もありえる状況だった。

 そうした中、アルファロメオは自分たちの結果を“犠牲”にしてでもアストンマーチン勢のレースを楽なモノとしない戦略を採ることを選び、それが功を奏してランキング6位の座を固め、より多くの配当金を手にすることに成功した。

 アルファロメオの採った戦略は、ランス・ストロール(アストンマーチン)が最初にタイヤ交換を行なった後、周をピットに呼び戻してスティントを引っ張っていたセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)をアンダーカット。一方でボッタスはハードタイヤで引っ張ることで、ストロールに対する“蓋役”を務めたのだ。

 ボッタスはアブダビGP終了後に、ハードタイヤでの”守備的な”スティントについて、アストンマーチン勢を邪魔し、前を狙う彼らを阻止するために採用された戦略だったと語った。

「結局のところ、今回の僕らには十分なペースが無かったと思う。僕の戦略はすごく守備的なものだったけど、第1スティント終盤に向けて、できるだけ良い状態を保たせようとしていたんだ。それで、緑色のクルマが来たら邪魔したかったんだ」

「最終的にポイントは同点だったけど、ランキング6位を獲得できて嬉しいよ」

「(戦略は)アストンマーチンのことを待ち構えて、彼らのレースを難しいものにすることだったんだ」

 また周は、アルファロメオのピットタイミングについて、アルピーヌとマクラーレンに明確なピットウインドウを与えることで、アストンマーチンの前に出ることができるようにするためでもあったと説明している。

 さらに周はベッテルが後方から迫ってくると、激しいディフェンスを繰り広げて、やすやすと追い抜かせない走りも見せた。

 こうしたアルファロメオの戦略上の努力は実を結んだと言える。ベッテルは終盤にかけて9番手を狙ってダニエル・リカルド(マクラーレン)に挑んだが、結局抜けずに10位でフィニッシュ。これでアストンマーチンとアルファロメオは同点でレースを終え、シーズンでの最高順位の差でアルファロメオがランキング6位を手に入れたのだから。

「レース全体はかなり分かりやすい状況だった。もし僕らがコース上で彼ら(アストンマーチン)を倒せないなら、僕らは自分たちのポジションを犠牲にしてでも、マクラーレンとアルピーヌにクリアなウインドウを与えるようにしたんだ」

 周はMotorsport.comにそう語った。

「今回はそういう状況だった。僕は早めにピットへ入ったけど、タイヤがまだフレッシュなセバスチャンとランスの前に出ることができた。それからは基本的には、他のドライバーにより明確なウインドウをあたえるために、できるだけ彼らを抑えることを頑張ったんだ」

「この戦略を実施できたのは、すごく重要だった。今日はそのために全力を尽くしたけど、チームにとって本当に良い結果になった」

「予選ポジションを考えると、バルテリはかなりリスクの高いギャンブル的な戦略を試す必要があったけど、僕はポジションをキープして、違いを生み出せるかどうかをトライしようとしていた」

「1周目以降、僕らは同じようなポジションをキープし続けたけど、僕これがらにできるベストだったよ」

「終わってみれば、(ランキングでは)とても接近していて、結局同点だった。でも、小さな差のひとつひとつが違いを生むことは分かっているし、チームの来年にとって本当に重要な点だった」