2022年シーズン、レッドブルはマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスのコンビで17勝を挙げる圧倒的な強さで、コンストラクターズチャンピオンを獲得した。しかし、この記録はシーズン最多勝ではない。

 ここまで70年以上のF1の歴史の中で、最多の勝利数を記録しているのは、2016年のメルセデスである。

 同年のメルセデスは、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのコンビ。そしてこのふたりで、激しくタイトルを争った。このふたりで、21戦中19勝(ハミルトン10勝、ロズベルグ9勝)を挙げ、うちロズベルグがこのシーズンのチャンピオンに輝いた。チームとしての勝率は、90.4%である。

 21戦中19勝を挙げたということは、負けたのは2戦のみである。

 ひとつ目はスペインGP。1周目にハミルトンとロズベルグがターン4でまさかの同士討ち。これにより揃ってリタイアとなり、この年初めて勝利を逃した。そしてこのレースが、レッドブルに昇格した直後だったフェルスタッペンにとって初勝利となった。

 もう1戦は第16戦のマレーシアGP。ロズベルグはスタート直後にセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に追突されて後方へとポジションを落とし、ハミルトンはエンジンブローでリタイアとなった。ロズベルグは3位までポジションを上げたものの、それが精一杯。2回目の敗戦となった。

 この年のメルセデスは、予選でも圧倒的。モナコGPでレッドブルのダニエル・リカルドにポールポジションを奪われたものの、それ以外は全戦でポールポジションを獲得(ハミルトン12回、ロズベルグ8回)。まさに圧倒的な速さだった。

 とはいえ勝率だけ言えば、2016年のメルセデス以外の成績を残したチームがある。それが、あまりにも有名な1988年のマクラーレン・ホンダである。

 この年のマクラーレンは、アイルトン・セナとアラン・プロストのコンビで16戦15勝(セナ8勝、プロスト7勝)。勝率は実に93.7%を誇った。ポールポジションも15回(セナ13回、プロスト2回)記録している。なお全戦勝利も、全戦ポールポジションの記録も、いずれも阻止したのは当時フェラーリを走らせていたゲルハルト・ベルガーだった。

 なお、もうひとつ記録的な強さを見せたチームがある。それは1950年のアルファロメオだ。

 F1が世界選手権として制定された初年度、アルファロメオはファン-マヌエル・ファンジオ、ジュゼッペ・ファリーナ、ルイジ・ファジオーリらを擁して参戦。合計6勝を挙げ、ファリーナが初代F1王者に輝いた。ただこの年のF1は全7戦で行なわれたたため、勝利を手にできなかったのは1戦のみ。勝率は85.7%である。

 ただアルファロメオが勝利を逃した1戦は、第3戦として組み込まれていたインディ500である。このインディ500には、アルファロメオはエントリーせず。ファリーナもファンジオもファジオーリも参戦していなかった。つまりこの年のアルファロメオは、参戦したレースに限っては勝率100%ということになる。後にも先にも、勝率100%というチームは存在しない……将来、この記録を達成するチームは果たしてあるのだろうか?

■F1歴代年間勝利数記録(コンストラクター)
1. 19勝/21戦/90.4%:メルセデス(2016年)
2. 17勝/22戦/77.2%:レッドブル(2022年)
3. 16勝/19戦/84.2%:メルセデス(2014年)
4. 16勝/19戦/84.2%:メルセデス(2015年)
5. 15勝/16戦/93.7%:マクラーレン(1988年)
6. 15勝/18戦/83.3%:フェラーリ(2004年)
7. 15勝/17戦/88.2%:フェラーリ(2002年)
8. 15勝/21戦/71.4%:メルセデス(2019年)
9. 13勝/19戦/68.4%:レッドブル(2013年)
10. 13勝/17戦/76.4%:メルセデス(2020年)