解任は近い? 加速するビノット代表離脱のウワサ。フェラーリ会長はF1チームに「次なる一歩」を要求
F1パドックもこのウワサで持ちきりとなったが、フェラーリ側がこの憶測をすぐさま否定。ビノット本人や所属ドライバーも交代説を否定している。
しかし、どうやらこの件は収束していないようだ。11月25日(金)にイタリアの有力紙Corriere della Seraは、ビノット解任の発表は間近だと改めて報じている。
報道では、ビノットとフェラーリ上層部の間で退任の条件に同意するための交渉が行なわれていると示唆。ただ、フェラーリ側はこの件について”公式に”言うことは何もないとしている。
Corriere della Seraは、ビノット側がフェラーリのジョン・エルカン会長から全幅の信頼を得られていないとして、チームに留まるべきではないという結論に達したとしている。
2022年シーズンは、序盤こそフェラーリは新規定を機にレッドブル・レーシングと互角のパフォーマンスを発揮したものの、レースを重ねるごとに失速……レーシングに早期のダブルタイトル確定を許した。
エルカンは、そうした原因からビノットの代表の座が危ういのではというウワサをイタリアGPで否定していたが、ポイントをみすみす逃すこととなったミスを解消する必要があると明言している。
「我々はマッティア・ビノットに大きな信頼を寄せているし、彼とエンジニア全員が成し遂げてくれたことに感謝している」
エルカンはGazzetta dello Sportにそう語っている。
「しかし、マラネロ、ガレージ、ピットウォール、そしてドライバーの面では、間違いなく改善されなければならない」
「メカニックやエンジニア、ドライバー、そしてもちろん、チーム代表を含むマネジメントチーム全体が進歩していかなくてはならない」
「信頼性、ドライビング、戦略に関しては、まだ多くのミスを犯していることが見て取れる」
「ビノットと彼のチームを信頼することは正しい判断であり、それは報われた。彼らのおかげで競争力がつき、また勝てるようになった」
「しかし、満足はしていない。我々は常によりより良くできると思うからね」
なおアブダビGPの際に退任のウワサを否定したビノットは、チームでの将来についてエルカンから言質は得られたと語っていた。
「この噂が出たとき、会長のジョン・エルカンと話をしたのは確かだ」
そうビノットは言う。
「我々はこの先どうするのがベストなのか、率直に話し合った。そして我々は、声明を発表することがあらゆる噂を止める最善策だろうと判断した」
「明らかに、根も葉もない噂が飛び交っていた」
ビノットは1995年にフェラーリへ加入。2019年初めにマウリツィオ・アリバベーネの後任としてチーム代表に就任するまでは、チーフテクニカルディレクターなど重要役職を務めてきた。
なお、アブダビGPからの一週間以上が経ち、チーム代表を巡る状況が変化したかどうかは不明。ただ仮にビノットの解任が確定した場合は、2023年に向けて重要となるこの冬を前に発表が行なわれるはずだ。
アルファロメオのバスールが後任候補の適任者とされるが、それが不可能だった場合の選択肢をもうひとつ挙げるとすると、フェラーリのベネデット・ヴィーニャCEOを臨時代表として立てることだろう。