ドゥカティはMotoGP2022年シーズンに、15年ぶりとなるライダーズタイトルを獲得。歴史的なシーズンとなったが、チーム上層は今シーズンのタイトル争いにおけるチームオーダーを巡る言説は「デタラメ」だと主張した。

 ケーシー・ストーナー以来のドゥカティ王者となったフランチェスコ・バニャイヤ。彼は最大で91ポイントあった差をひっくり返すという記録的なタイトル獲得劇を演じたが、シーズン後半は常にチームオーダーという”陰口”にもドゥカティと共に直面してきた。

 実際のところ、ドゥカティはサテライトチームを含む他の7名のライダーに対して、バニャイヤと争う際には”気をつける”ことを要請しており、表彰台と勝利を巡って危険なことをしないように呼びかけていたことが判明している。

 そしてマレーシアGPではバニャイヤとエネア・バスティアニーニ(グレシーニ)の優勝争いに対し、バニャイヤを追い越さないよう語っていたともドゥカティは非難されていた。

 だがドゥカティのスポーティングディレクターであるパオロ・チアバッティは、バスティアニーニに対してドゥカティは“公平すぎる”ほどだったと語っており、チームオーダーで結果に影響を与えているという言説はナンセンスなモノだと主張した。

「今年は明らかにそうした(神経質になる)状況がいくつかあった。ペッコ(バニャイヤの愛称)はファビオ(クアルタラロ/ヤマハ)との91ポイント差という不可能とも思える差を縮めようとしていたからだ」

「我々はそうした状況の中で、(バニャイヤとバスティアニーニが優勝を争った)ミサノやアラゴン、特に正直に言ってセパンでは極めてナーバスになっていた」

「セパンはベッツェッキ(マルコ・ベッツェッキ/VR46)がクアルタラロに接近していたため、少し状況が異なっていた。もしベッツェッキが(クアルタラロを抜いて)3位になり、ペッコが勝利していれば世界チャンピオンが決まっていたんだ」

「そのため、我々はベッツェッキが3位となった場合にどうするかを話し合っていた。しかしベッツェッキは0.8秒差まで来たものの、離されてしまった。だから我々も『OK、このまま行こう』となったんだ」

「ドゥカティサイドとしては、(セパンでのバニャイヤVSバスティアニーニで)公平すぎたかもしれない」

「しかし兎にも角にも、我々はチームオーダーに関する風説が”デタラメ”だったことを示したと思う。チームオーダーが出ていたなら、ジャック(ミラー/チームメイト)はタイで2位にはなっていなかっただろうし、バスティアニーニはアラゴンで勝っていないだろうし、ミサノでもセパンでもペッコを抜こうとはしていなかっただろう」

 バニャイヤとバスティアニーニはシーズン中に何度も激しい優勝争いを繰り広げてきた。来年はこのふたりがチームメイトとなる。

 ライバル関係の制御は難しい問題になるかもしれないと指摘されているが、チアバッティはふたりのライダーを制御できると自信を示している。

「ドゥカティにとって来年は状況をマネジメントするのが難しくなるだろうと考えている人もいるだろう」

「私もチーム内に片方は7勝、もう片方は4勝を挙げている世界チャンピオンとランキング3位のライダーがいるというのは、贅沢なことだと思う」

「彼らふたりで今シーズンの勝率は50%を超えている。それをマネジメントするというのは、素晴らしい問題だよ」

「同じガレージにいるふたりの間で、フェアに競争できる状況をマネジメントするための方法があることを願っている」

「彼らチームメイトに友達になるように頼んだりはしていないし、ペッコとジャックの関係と同じようなことにはならないだろう」

「あのふたりの関係は、彼らの性格から生まれる特別なモノだった。それにジャックはペッコがルーキーだった頃から走っているんだ」

「だからこそ彼のことを助けたんだと思う。ナイスガイだよ。来年、我々はチャンピオンシップ争いを望んでいるふたりのライダーとなるが、状況をマネジメントできるだろう」