アストンマーチン、新加入アロンソの仕事ぶりに高評価。F1チームに「新たな刺激を生む」と首脳陣は太鼓判
アルピーヌとの契約が依然有効のため、アロンソはスポンサーロゴが一切付いていないアストンマーチン『AMR22』をドライブすることになったが、チーム代表のマイク・クラックはアロンソの仕事ぶりに好印象を抱いている。
アロンソが本格的に新天地での作業を開始するのは年明けからとなるが、ピレリは新年から早くも2024年用タイヤのテストプログラムを開始するため、再びアロンソは2022年型マシンをドライブする機会を手にできるかもしれない。これはアロンソにとって、レースを戦う2023年マシンとは異なるものの、サーキットでのオペレーションなどチームの理解をさらに深める良い機会になるだろう。
アブダビのポストシーズンテストを受けてクラックは、「メッセージの伝達が効率的で、とても印象的だった」とアロンソを評価し、次のように続けた。
「常に率直に指摘してくれるし、とても友好的でオープン。お互いが透明性をもって話していた」
「その日の出来には、我々はとても満足している」
また、アロンソと前任のセバスチャン・ベッテルとの違いを訊かれると、クラックは次のように答えた。
「もちろん、バックグラウンドが違うから、ふたりは異なる。ひとりはラテン系、もうひとりはドイツ系。それは大きな違いだ」
「しかし、ふたりに共通しているのは、集中力だ。改善への集中力や進歩を遂げることへの集中力、そして些細なことではなく、何が我々を進化させるのかを切り分けて考えていることだ。似ているところもあるが、違うところもある」
そしてクラックは、新戦力のアロンソがチームの原動力となることは間違いないと考えている。
「フェルナンドについては、メキシコGPで7位入賞を果たせなかった彼の悔しそうな姿が脳裏に焼き付いている。それは彼の献身と情熱を映している」
「勝利への情熱と意欲を持った人なら、チームにも影響を与えられると思う。彼がマシンに乗ることをみんなが本当に喜んでいるのが良く分かる」
「彼の情熱と勝利への渇望が、チームに新たな火花を散らしてくれると思う」
なお、クラックがアロンソがF1からの引退を決めた後も、アストンマーチンとの関わりが続く可能性を示唆している。
「彼とはすでに良い話し合いが出来ている。これは、ドライブの枠を超えることができると私は考えている」
「フェルナンドが加入したことで、彼はチームの中核を担う存在になる。我々はこの関係がどのように展開していくかを見ていく必要があるが、彼はチームの将来において大きな役割を果たすことになると思う」
アストンマーチンでテクニカルディレクターを務めるダン・ファロウズも、アロンソがチームを前進させる要素になるとクラックの意見に同意している。
「技術的な観点からすると、良いフィードバックを与えてくれるドライバーを持つことは重要だ」とファロウズは言う。
「指摘があることは良いことではないから、ポジティブなフィードバックとは言わない。ただ良いフィードバック、つまりマシンの中でどのように感じているかを説明できることは、我々にとって非常に重要なことなのだ」
「ランス(ストロール)もその点で非常に優秀だから、我々は非常に幸運だね」
「セブ(編注:ベッテルの愛称)が去ったことで、特に何かが失われたとは考えていない。しかし、我々は来年に向けてより良いマシンを作りたいし、その進歩を見てみたい。そのためには、マシンから最大限に(パフォーマンスを)引き出すことができるドライバーを確保する必要がある」
「ランスはマシンを改善することができるドライバーだと思うし、フェルナンドは膨大な経験を積んでいて、その実績もある。とてもエキサイティングなドライバーラインナップだ」