アルピーヌのローラン・ロッシCEOは、2023年からチームに加入するピエール・ガスリーがチームを”新たなレベル”に導いてくれると期待している。

 アルピーヌは、2022年シーズン末限りでチームを離脱したフェルナンド・アロンソの後任として、アルファタウリからガスリーを獲得。エステバン・オコンと共に、フランス籍のチームでフランス人コンビが完成した。

 ガスリーはシーズン終了後のアブダビテストで、アルピーヌで初走行。年が明けた現在は、2023年シーズン開幕に向けて正式にチームでの仕事を始めている。

 ロッシは、新加入のガスリーがアルピーヌにもたらす要素として、アルファタウリを率いた経験を挙げている。そしてその経験が、チームを上位陣にステップアップさせると期待を寄せている。

「我々が引き続きマシンを開発するために、彼が我々の求めるモノをもたらしてくれると良いね。現時点では、我々はまだ中団グループにいる。マシンを一段階引き上げる必要があるんだ」

「そのためには、マシンが与えてくれるポテンシャルを活かして速く走ったり、ポイントを獲得する能力だけでなく、次の段階に持っていく能力をもつドライバーが必要なんだ」

「つまり、金曜日(のフリー走行)の段階で、チームにフィードバックを行ない、チーム全体を正しい方向へ導き、マシンを向上させる能力が必要なんだ」

「ピエールがそれをもたらしてくれることを期待している。アルファタウリにいた時、彼は色々な意味でテクニカルリーダーを努めていた。彼にはそれを続けてもらい、チームを成長させてほしい。我々と共に自分自身を磨き上げ、我々を新たなレベルへと導いてほしいと思いっている」

 ガスリーはスーパーフォーミュラ参戦中の2017年シーズン終盤にアルファタウリの前身であるトロロッソからF1デビュー。翌年からフル参戦を果たすと、2019年に一度レッドブルへ昇格して走った12戦以外は全て、トロロッソ/アルファタウリでF1を戦ってきた。

 2020年イタリアGPでは、チーム史上ふたり目のグランプリウィナーとなり、翌2021年にはキャリア最高得点を記録した。

 そして、2021年からはさらにルーキーである角田裕毅を率いるエースドライバーとして、チームの開発において重要な役割を果たしてきた。

 一方、アルピーヌは2022年シーズンで積極的な開発アプローチを獲り、コンストラクターズランキングでマクラーレンを上回る4位を獲得した。

 中団グループの最上位には立ったものの、レッドブル、フェラーリ、メルセデスのトップ3との差は大きい。結果的に、ランキング3位のメルセデスには342ポイント差をつけられてしまった。