KTMは、ダニ・ペドロサが2023年4月28日〜30日にヘレスで開催されるMotoGPスペインGPにワイルドカード参戦を果たすと発表。ファクトリーライダーのブラッド・ビンダー、2023年から新加入のジャック・ミラーと並び、3台目の『RC16』を走らせることとなった。

 MotoGPで31勝を挙げ、2018年シーズン末にフルタイムライダーから退いたペドロサは、2019年からKTMでRC16のテストライダーを務めてきた。

 ペドロサのKTMでのワイルドカード参戦は、MotoGPの第一線を退いてからは2度目のこと。1回目は2021年のスティリアGPだったが、決勝レースで3周目に転倒し後方を走っていたロレンソ・サヴァドーリ(アプリリア)がコース上に取り残されたペドロサのマシンに衝突……2台のマシンが炎上するというアクシデントに見舞われた。

 そのレースは長時間に渡る赤旗中断となったものの、ペドロサに大きな怪我はなく、セカンドバイクでレース続行。10位フィニッシュを果たした。

 ペドロサのワイルドカード参戦2回目に向けて、KTMでチームマネージャーを務めるフランチェスコ・グイドッティは次のように語っている。

「ダニが今シーズン、MotoGPで気持ちを新たにしたいと望んでいるのは素晴らしいニュースだ。ヘレスは我々としても馴染みのあるテストコースで、彼もこのコースを熟知しているから、理にかなっている」

「彼にとっては、今後のレースマシン開発に必要な情報を得る理想的な機会になるだろう。ピッドボックスで共に働くことを楽しみにしている」

 またKTMのモータースポーツ・ディレクターであるピット・ベイラーは、次のように語っている。

「ダニは強いメンタリティを持った男で、彼がワイルドカード参戦を望んだ時は、喜んでそれを実現させようと常に言っていた」

「レースの状況下は、完璧な”テスト”の場だ。今後の開発パーツに関して作業を進められるのであれば超重要な機会になるし、ダニがまたレースに出てくれるのはとても嬉しい」

 KTMファクトリーチームは、1月26日(木)に2023年のMotoGPチーム体制を発表。ビンダーとミラーと共にカラーリングを発表した。

 オーストリアのメーカーであるKTMは、2022年シーズンのコンストラクターズランキングで4位。順位を上げていく計画の一環として、チームはイギリス・ミルトンキーンズにファクトリーを置くレッドブル・レーシングとのパートナーシップを加速。MotoGPにF1の空力技術を活かそうと開発を行なってきた。