ジェンソン・バトン、NASCARマシンを駆りル・マン24時間に参戦へ「僕はずっとレーシングドライバー……新たな挑戦を探していた」
ル・マン24時間レース主催者のACO(フランス西部自動車クラブ)は、”未来へ向けたテクノロジー”のためにガレージ56枠を設定。これまでにも日産のデルタウイングや水素燃料電池車などがこの枠を使って参戦を目指した。そして今回は、NASCARのカップカー”シボレー・カマロ ZV1”のNext Genマシンがル・マン24時間に参戦することになり、準備が進められている。そしてこのドライバーのひとりが、バトンになることが決定。NASCARカップで7回のチャンピオンになった経験があるジミー・ジョンソンと、2010年のル・マン優勝者マイク・ロッケンフェラーとタッグを組むことになった。
「ここにいるのは本当に特別だ」
そうバトンは語った。
「僕は常に、自分のことをレーシングドライバーだと考えている。F1のキャリア以降、常に新しいチャレンジを探してきた。ル・マンに行くために、オールスターチームで一緒に仕事ができるのに、とても興奮している」
「契約は、ずっと前にジミーを通じて行なった。僕は彼に、2023年に何をするのかを尋ねていたんだ。だって彼は、じっとしていられない男だからね。彼は、やりたいと思うことのいくつかを前に進めていた。そしてその中で、NASCARでル・マンを走りたいと言ったんだ。僕は『え? なんだって?』と言ったよ」
「その後、ロッキーもセブリングでのテストに招いてくれた。そこから全てが始まったんだ。それから、僕は全ての情報、全ての進捗を見たり聞いたりしてきた。火曜日にマシンをドライブするのを楽しみにしている」
またジョンソンも次のように語った。
「リック(ヘンドリック/チーム創設者)から電話があった時、僕はこのチャンスを逃すべきではないと思った。この素晴らしいドライバーたちと、このチームでル・マンを経験するのは、僕にとっては大きな夢だった。本当に特別なことだ」
「このプロジェクトの設計、そして目指すところは、NASCARをル・マンに持ち込むことだ。フランスの誰もが、このマシンがストレートで上げる轟音を楽しんでくれるだろう」
「NASCARを代表して参戦するのはとても名誉なことであり、関係者とも長い歴史がある。でもこのマシンは通常のNASCAR車両とは異なり、NASCARとプロトタイプのハイブリッドのようなモノだ」
ロッケンフェラーも次のように語る。
「このプロジェクトは、素晴らしいパートナーたちの集団だ。最初からこれに参加できるのはとても光栄であり、とても楽しい。そして特に、”若い”ふたりのチームメイトと、このマシンをシェアするのが待ちきれないね」
このNASCARでル・マン24時間に参戦するというプロジェクトは、昨年の3月に最初に発表された。そして8月にロードアトランタで走った最初のテストカーは、IMSAに参戦するアクション・エクスプレス・レーシングによって製造された。しかし11月からはヘンドリック・モータースポーツでの稼働に変更。シャシーやエンジン、サスペンション、ボディワークなどが変更された。
1月31日(火)には、デイトナのロードコースで、バトン、ジョンソン、ロッケンフェラーの3人がこのマシンをテストするという。