ホンダ/HRC、複数のF1チームから2026年以降のパワーユニット供給について打診があったと明かす
ホンダは2021年限りでF1活動を終了。現在もHRCを通じてレッドブルとアルファタウリにパワーユニット(PU)を供給しているが、正式には今もホンダはF1活動から撤退している状況だ。
しかし先日FIAが発表した2026年以降のF1のPU製造者として登録した6メーカーのうちひとつは、HRCだった。HRCの渡辺康治社長も以前、PU製造者登録を済ませたことを認めつつも、研究開発のために登録しだだけだと説明。ただその際、2026年からの再参戦の可能性はゼロではないとも明かしていた。
ただ、現在HRCのPUを使うレッドブルは2026年からフォードと手を組み、”レッドブル・フォード”名義のPUを使うことを決断。ホンダが正式に復帰するとなると、他のパートナーとなるチームを探さねばならないという状況だった。
そして渡辺社長は2月20日に開催されたオンライン会見で、複数のチームから2026年からのパートナーシップ締結について話があることを認めた。
「F1が今後どういう動きを見せていくのか、どういうレースになっていくのかを見ていくのが、今回製造者登録を行なった狙いになります。PUの製造者登録を行なった後に、複数のF1チームからコンタクトをいただいています」
「ただ、まずは引き続きF1がどうなっていくかというところを見ていきたいと思いますので、まだ具体的に再参戦するという結論には至っていません」
この日の会見で、その具体的なチーム名は明かされなかったが、既存のチームの中でホンダのPU供給先の候補として現実的なのは、マクラーレンもしくはアストンマーチンのいずれかではないかと考えられる。当初は新規参入を目指すアンドレッティ・キャデラックもホンダのPUを使う候補のひとつと見られていたが、アルピーヌがPU供給に合意したとロイター通信が報じているため、この選択肢の可能性は低くなっているというべきだろう。
2026年からのF1は、使用される燃料がカーボンニュートラル燃料100%となることが決まっており、新たな時代に足を踏み入れることになる。ホンダは社内でカーボンニュートラル燃料の開発を進めており、2021年の段階でカーボンニュートラル燃料をF1で実戦投入している。この技術は自動車のカーボンニュートラル化に大きく貢献するのはもちろんのこと、ホンダは既に他メーカーよりも一歩進んでいるとも言える。そういう意味では復帰する価値はもちろん、勝算もあるように思える。