ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長は、2026年以降はレッドブルにパワーユニットを供給しないことになった点について説明。話し合いが失敗に終わったわけではないと語った。

 HRCは2月20日にオンラインでF1の2023年に向けた会見を行なった。この会見はあくまで2023年シーズンに向けたものだったが、質問が集中したのは2026年以降のF1参戦についてだった。

 2021年限りでF1活動を終了させたホンダ。しかし2022年以降も、HRCを通じてレッドブルとアルファタウリにPUを供給してきたが、実際には撤退済みの状態。そんな中レッドブルは、2026年からのパートナーとして、フォードを選ぶことを決めた。レッドブルのパワーユニット部門であるレッドブル・パワートレインズとフォードが共同でPUを開発し、レッドブルとアルファタウリの2チームのマシンに”レッドブル・フォード”名称のPUを搭載するというのだ。

 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は先日、フォードとの提携が決まる前にホンダとも話をしたことを明かしたが、「状況が複雑すぎた」ために、2025年以降も共に戦っていくことはできなかったと語った。

「我々(レッドブルとホンダ)は、2025年から先の関係についても模索した。しかし、状況は複雑になりすぎていたんだ」

 HRCの渡辺社長は2月20日の会見で、「なぜレッドブルとの話し合いが失敗したのか?」と尋ねられると、次のように説明した。

「別に失敗に終わったとは思っていません。レッドブルとはテクニカルパートナーとして、常に色々な形でのコミュニケーションを取っています。その中で色々な話がありましたが、結果的に我々が一緒にやることはないという判断をしました」

「それは、お互いの考え方であると思います」

 ただ渡辺社長は、2025年まではレッドブルと協力しチャンピオンを目指していくこと、別のレースでの協力は続いていくことを強調した。

「2026年からレッドブルがフォードと組むということについては、事前に連絡をいただいていました。2025年まではホンダとレッドブルはしっかりとした協力関係、信頼関係を維持し、優勝やチャンピオン獲得を目指していきたいと思います。それについてはブレることはありません」

「レッドブルとは別のレースでも協力関係がありますから、それは今後も進めていきたいと思っています。ただ我々のF1における2026年以降のことについては、決まっていることはありません。我々はF1の近くで、このレースを見ていきたいと思っています」