トップ返り咲きにはまだ遠い? メルセデスF1、新車『W14』に好感触も「追いかける立場に変わりはない」
レッドブルのマックス・フェルスタッペンが最速タイムで締めくくったテスト初日。メルセデスは午後セッションを担当したルイス・ハミルトンが6番手タイムを記録し、昨年ポーパシングやバウンシングに悩まされたW13よりも取り回しが良いように見受けられた。
1年前、チームはバーレーンで散々なテストを経験し、シーズン前半もマシンの振動を抑えるためにハミルトンとジョージ・ラッセルのふたりは苦戦を強いられた。
その反省を活かして開発が行なわれたW14ではハンドリングの面で心強い進歩を見せた。しかし昨年タイトル争いを演じたレッドブルとフェラーリとの差を縮めるというメルセデスの姿勢は変わらないと言う。
トラックサイド・エンジニアリングディレクターのアンドリュー・ショブリンは次のように語っている。
「初日を終えた段階でのパフォーマンスの全体図は、常に不鮮明だ。我々がどのポジションに位置しているかを語ることは不可能だが、すでにいくつかの重要なエリアを特定し、そこでパフォーマンスを見出すことができている」
「我々は追い上げるということを前提に取り組んでいくつもりだ。そして1週間後の開幕戦に向けて、あらゆる手を尽くしてパフォーマンスを引き出す必要がある」
「後の2日間も初日と同じように、できる限りの学習を詰め込んだプログラムになるだろう。マシンが時計じかけのように走り続け、残りのコースタイムを最大限活用できることを願っている」
テスト初日の午後セッションを担当したハミルトンは、ポテンシャルこそ見せたものの冷静にパフォーマンス向上に努めるというショブリンの意見を支持している。
「僕らはプッシュし続け、自分たちのことに集中し続ける必要がある」とハミルトンは言う。
「自分たちがどの位置にいるのかを把握することは難しいけど、これから先、もっと良い感触を得られると思う」
また、ショブリンはほぼノートラブルでテスト初日を終えたことで、W14の持つベースラインに自信を見せた。
「マシンは最初から最後まで完璧に走り、初日の大規模なプログラムを完了することができた」とショブリンは言う。
「新しいマシンを理解するためにはいつも数日かかるものだが、バランスを改善したいと思っている部分に関してはそれなりに把握できている」
「W13よりもずっと落ち着いていて、安定したプラットフォームで作業できるのは心強いね」