バーレーンでF1のプレシーズンテストが実施されている。各チームのマシンにも注目だが、ハースF1チームはひと味違った点で注目を集めている。

 ハースのピットウォールスタンドがやけにコンパクトになっているのだ。というのも、ハースはこれまで計6席のピットスタンドで世界中を回っていたが、今回のテストではそのうち半分のセクションのみ、計3席の小さなスタンドになっているのだ。

 これにより、25万ドル(約3400万円)もの輸送費を節約することが可能となり、浮いた予算はそのままマシン開発に充てられるという。

 そもそも、ハースは計6席のうち実際に使っていたのは4席のみだったという。残る2席のうち1席は、チームオーナーのジーン・ハースのために確保されていたようだ。

 今年は3席にチーム代表のギュンター・シュタイナー、チームマネージャーのピーター・クロラ、エンジニアリング・ディレクターの小松礼雄が座ることに。チーフストラテジストはピットウォールからガレージに移動するという。

「効率化を図る必要があるときは、すべてに目を配るものだ」

 シュタイナーはそうmotorsport.comの取材に応えた。

「開発投資のための資金が必要な時、我々には予算上限があるから、それをどこにつぎ込むかが重要なんだ」

「そこに6人必要なのか、それともクルマのアップデートに25万ドルを使うのか? 自分たちが何をしているかはわかっている。そのアイデアが浮上した時、もし私が(ガレージの)中にいる必要があるなら問題ないと言った。私がそこにいる必要はないんだ」

「3席あれば、必要なものはカバーできるし、配置も変えられる。だがお金を節約し、それを開発に回すのは主に予算制限が理由なんだ」

 昨シーズンは、あまり積極的なマシン開発ができなかったハース。しかしシュタイナーは、過去のシーズンよりも明確に開発の道筋を持っているという。

「我々はすでにアップグレードを始めている」

「今年は計画があって、はるかによく準備できている。すぐにアップグレードできることを期待している。風洞で結果が出れば、必ず製造してレーストラックに持っていく」

「フルパッケージであれ、小さなフェアリングであれ、フロントウイングであれ、アップグレードのための予算は十分にあるので、風洞で性能を確認しながら調整していく」

「バルセロナに向けて何が何でも新しいボディワークが欲しいというわけでもないし、何のメリットもない新しいボディワークを開発しても何も意味もない。だから、こうして管理しようとしているんだ」