今季F1デビューを果たすオスカー・ピアストリだが、マクラーレンはプレシーズンテストで印象的な走りを見せたルーキーに太鼓判を押している。

 マクラーレンは、新車MCL60の開発目標を達成できておらず、空気抵抗が多い状態にあると認めている。さらにテストではトラブルにより走行時間をロスするなど、開幕に向けてスムーズなオフを過ごすことができていない。

 しかし、ピアストリの実力はマクラーレン内で高く評価されているようだ。マクラーレンのチーム代表であるアンドレア・ステラは、特にテスト2日目の燃料搭載量が軽い状態での走行で急成長を遂げたピアストリのポテンシャルを高く評価している。

 ピアストリの最初のアタックは1分33秒973で、2回目はそれよりも遅いタイムだった。しかし3回目の走行では1分33秒878を記録し、4回目の走行では1分33秒175を記録して、このテストでの自己最速タイムを更新した。

 ピアストリについて、ステラは次のように語っている。

「オスカーには信じられないほどの才能がある」

「TPC(旧型車両でのテスト)で行なった走行で、すでにその特性の一端を見ることができたと思う」

「バーレーンのテストでも、ソフトタイヤのシークエンスで彼は非常に大きな進歩を遂げた。タイヤのセットを変えるたびに、学習したことを利用して進歩しているんだ。それはとても有望な兆候なんだ」

 ピアストリは高い評価を得ているランド・ノリスと比較されることになるが、マクラーレンはこのルーキーの目標を高く設定しすぎないことが重要だと考えている。2023年のシーズンを通して、一貫して改善を進めていくことを期待しているのだ。

「オスカーに期待することを、結果で決めたくはないんだ」

 そうステラは語った。

「私にとって重要なのは、クルマと同じで、成長速度なんだ」

「大切なのは結果にこだわるのではなく、プロセスにこだわることなんだ。なぜならリザルトというのは、プロセスの結果なんだ」

「結果にこだわるあまりに、早くからそのような目標を掲げてしまうと、かえって足元をすくわれることがある」

「ランドからコンマ2秒差以内でなければならないとか、ランドよりコンマ2秒速くなければならないというのは、正しいアプローチではないと思っている」

「オスカーは自分自身のことにとても集中している。チームはその個人的な旅をサポートしたいし、我々は機能的な方法でランドと比較するつもりだ」

「テレメトリーにはオーバーレイ(データの比較)があり、改善のために掴むべき良い情報が必ずあるはずだ。それを見てみよう。しかし我々は必ずしもそれに合わせたいというわけではなく、そうでなければ目的を達成できないからなんだ」