【2023年F1開幕】全10チームの仕上がりを徹底評価。レッドブルの盤石ぶり、アストンマーチンの充実度に注目……さて、勢力図はどうなる?
本稿では今季参戦する全チームの状況をまとめよう。
■レッドブル
昨年、圧倒的な強さでシーズンを席巻したレッドブル。今季も2年連続タイトル獲得中のマックス・フェルスタッペンと、セルジオ・ペレスという盤石な布陣で挑む。
マシンは昨年型の正常進化版ながらも、完成度抜群。テストでは一発の速さはもちろんのこと、ロングランでも圧倒的な速さと安定感を発揮した。特に初日にフェルスタッペンが見せた1分35秒台の連続走行は、昨年開幕戦の勝者、シャルル・ルクレール(フェラーリ)のレース終盤のペースを凌ぐモノだった……走行初日にしてこの完成度とは驚き。しかも3日間通してデグラデーション(タイヤの性能劣化)も小さかった。
現時点では、2023年シーズンを制する、最有力候補の座は揺るがないだろう。チームやドライバーからも、ポジティブなコメントばかり聞こえてくる。
■フェラーリ
昨年はシーズン序盤こそレッドブルと互角に渡り合ったフェラーリだが、中盤以降は低迷。今年こそ巻き返しを図りたいところだ。
新車SF-23は、発表会当日にフィオラノ・サーキットで走行を披露するという、ド派手なデビュー。今季に向けた期待感を高めた。
しかし、テストでは心配な部分もある。アタックラップの速さはまずまずながら、ロングランではレッドブルと比較してデグラデーションが大きく、走れば走るほどタイムが落ちていく状態なのだ。
フェラーリは昨シーズンも、タイヤのデグラデーションがよろしくないという問題に見舞われた。最終戦アブダビGPでは解消されたように見えたが、テストを見る限り再発してしまっている様子。この問題への対処ができなければ、レッドブルを打ち負かすことはできないだろう。また、直線スピードは速くなっているが、コーナリングスピードが犠牲になっているという声も聞かれる点も懸念に輪をかける。
また、新たにチーム代表に就任したフレデリック・バスール(昨年までのアルファロメオのチーム代表)の手腕にも注目だ。