フェラーリのカルロス・サインツJr.は、2023年シーズンのF1開幕戦バーレーンGPでのリザルトが悪かったとしても、チャンピオンシップを争うチャンスが失われるわけではないと語った。

 昨シーズン、フェラーリはシャルル・ルクレールが開幕3戦2勝を記録。好スタートを切ったことでタイトル争いの中心だと考えられていたが、信頼性の低さやドライバーや戦略のミス、さらにシーズン中のレッドブルの進歩もあって、マックス・フェルスタッペンに戴冠を許してしまった。

 バーレーンで行なわれたプレシーズンテストで好調だったこともあって、レッドブルは今季も明確なタイトル争い最有力候補に挙げられている。

 そんな中サインツJr.は、開幕戦でフェラーリがレッドブルの勝利を脅かすことができなかったとしても、タイトル争いが終わったと考えるのは禁物だと警告している。

 サインツJr.は、昨シーズンはフェルスタッペンがマシントラブルで2度リタイヤを喫してルクレールに最大46ポイント差をつけられたことを引き合いに出し、次のように語った。

「昨年、僕らがはっきりと学んだことは、誰が最初のレースを制したとしても、それがチャンピオンシップを制することを意味するわけではないということだ」

「もし開幕戦で2台がリタイアしたとしても、チャンピオンシップを失うことはない。だってそれは昨年、僕たちとレッドブルの間で実際に起ったことだからだ。そしてその結果も知っている」

「チャンピオンシップの勝敗はこの開幕戦で決まるわけではないし、まだ22レースも残っているのだから」

 またサインツJr.は、テストだけでフェラーリのポジションを判断するのは不可能であり、ライバルと比較してコンマ2〜3秒の差は未知数だと付け加えた。

「最後のコンマ2〜3秒のことは、僕たちには分からない」

「だけど、F1では結局、そのコンマ2〜3秒のことが最も大事なんだ」

「レッドブル、アストンマーチン、メルセデス、それぞれのマシンがこのコンマ2〜3秒の間でどのような展開を見せるのか、僕にはまったく想像がつかない。知ることは不可能だ」

「レッドブルがリードしているのは間違いないだろう。その中で、自分たちがどの位置にいるのかを確認したいんだ」

 ルクレールも同様にシーズン序盤のフェラーリのポテンシャルについて口を閉ざしたが、チームの新車SF-23は先代マシンの問題点を全て改善していると強調した。

「昨年は直進スピードが弱点だった。僕たちはそこにフォーカスして、直線スピードが向上したと感じている。その一方で、コーナーでは少しスピードを失っていると思う」

「でも全体的にはいい仕事ができたと思うし、昨年抱えていた弱点は全て改善されている。より良いクルマになったという自信はある」