アストンマーチンF1は2023年の新車開発においてアグレッシブな目標を設定してきたが、テクニカルディレクターのダン・ファロウズはその大半を達成できたと考えている。

 ファロウズは昨年4月にアストンマーチンへ加入。それまでは天才的デザイナーであるエイドリアン・ニューウェイの元、レッドブルF1で16年にわたって働いてきた人物だ。

 彼はアストンマーチンAMR23の発表に際し、予算制限といった制限を受けつつも、マシンはその95%が新しくなっていると語っていた。

 そんなアストンマーチンはプレシーズンテストの段階からそのパフォーマンスの片鱗を示し、ライバルから警戒される存在となっていた。

 マシンを作り上げて来たファロウズは「第一に、クルマには満足している」と語り、アグレッシブな開発目標の大部分を達成できたと明かした。

「我々は昨年のマシンから大きな一歩を踏み出すことを目標にしてきた。そして、パフォーマンスの面で言えば一歩前進できたことに間違いなく満足している」

「かなりアグレッシブな目標群を設定してきたんだ。だが、その大部分を達成することができた」

「そして、力を出せるマシンだとテストでは感じられた。ただ、皆が他のチームと比較した時の我々の立ち位置を予測して欲しがっているのは分かるが、それは残念だが我々にも分からない」

 そう語るファロウズ。彼はマシンを実際に走らせた時と風洞試験による予測との間で、良好な相関関係を確認できたとも語っている。

「テストを行なう上で重要なのは、コース上のマシンと風洞で予測して来たものが、ほぼ同じような数値であることを確かめることにある」

「コースを走るクルマが、我々の予測したように走ってくれることは、技術チームとしてはいつであれ喜ばしいことだ」

「そして我々としてはテストで示されたことが本当に良かったと思っている。マシンが比較的予測しやすいんだ」

「我々としても望んでいたことだったし、とてもポジティブだよ。パフォーマンスについて話すのはかなり難しいがね」

「チームの周囲で非常に多くのワクワクを感じられているのは嬉しい。ただ実際、チームごとにテストは異なっていたため、今週末(バーレーンGP)マシンがどれくらい優れているのかを知ることができるだろう」

「開発目標に達したことには必ずしも驚いてはいない。ただ、何かが上手くいかなかったり、相関がよくなかったり、コースでは予想ほど上手くいかなかったりという疑念は、常に持っているものだよ」