アストンマーチン速し! アロンソ”当然”の3位で開幕戦を飾る。フェラーリやメルセデスをコース上で抜き「アドレナリンが出た」|F1バーレーンGP決勝
アロンソは5番グリッドからスタート。しかし1周目にメルセデスの2台に先行されてしまうことになり、まずはこの2台を攻略しなければならなかった。
ただアロンソのレースペースは素晴らしく、まずはジョージ・ラッセルを料理すると、その後はルイス・ハミルトンとのチャンピオン同士の戦いを制して5番手に復帰。その後、3番手を走っていたシャルル・ルクレール(フェラーリ)がマシントラブルでストップすると、そのチームメイトであるカルロス・サインツJr.をオーバーテイクして3番手。その後はサインツJr.を引き離し、レッドブル勢に次ぐ3位でフィニッシュした。
レース終了後にインタビューに応じたアロンソはまず、チームメイトのランス・ストロールを称えた。ストロールはプレシーズンテスト直前、自転車でのトレーニング中に落車し、右手首を骨折。手術を受けたものの、完璧とは言えない状況でレースに挑んだ。しかも、テストでは全く走れない、まさにぶっつけ本番の状態だったのだ。にもかかわらず、メルセデス勢の間に割って入る6位でフィニッシュしてみせた。
「まず、チームメイトであるランス(ストロール)におめでとうと言いたい」
そうアロンソは語った。
「彼は12日前に手術を受け、今みんなと戦っている。チームにとって素晴らしいことだ」
「そして素晴らしい週末だった。今年の最初のレースで表彰台を獲得できた。アストンマーチンがこの冬に成し遂げたことで、最初のレースで2番目に優れたマシンを手に入れることができたのは、驚くべきことだよ。現実とは思えないね」
メルセデスやフェラーリをオーバーテイクした時の気分を尋ねられると、アロンソは次のように語った。
「もちろん、彼らの前からスタートして、もっとペースを上げたかった。でも、今日は最高のスタートじゃなかったし、コース上で彼らを抜かなきゃいけなかったんだ」
「でも、ちょっとドキドキするよね。アドレナリンが確かにたくさん出たよ。だから皆も楽しんでくれた。僕らも楽しかった。ジェッダでもそうなるといいね」
昨シーズンはランキング7位に終わったアストンマーチン。現在のF1では、前年のランキングに応じて、各チームの風洞実験に費やすことができる時間が決まっているため、アストンマーチンはレッドブルやフェラーリよりもかなり多くの時間を風洞実験に充てることができるわけだ。しかしアロンソは、来年はそうはならないだろうと言う。つまり、今シーズンはかなりの成績を残せるという自信が確かにあるのだろう。
多くの時間風洞実験が実施でき、それがもたらす恩恵を期待しているかと尋ねられたアロンソは、次のように語った。
「そうだね。そうなると良いね。でも、来年は(たくさんの風洞実験をする権利は)あんまり手に出来そうにないね」
1周目にメルセデス勢に前に出られていなかったら、アロンソはどんなレースを見せたのか? レッドブルに近付くことさえあったのだろうか? そんな可能性すら感じられた、レース中のペースであった。
2週間後のサウジアラビアGPでも、緑のマシンに乗る41歳に注目が集まる。