3月5日に行なわれたF1の開幕戦バーレーンGP。マクラーレンはその決勝レース中に信頼性の問題が明らかになるという、苦しい展開となった。

 マクラーレンは予選の結果、ランド・ノリスが11番手、オスカー・ピアストリが18番手からスタート。蹴り出しはまずまずな展開だったが、あまり順調な時間は続かなかった。

 最初にトラブルが発生したのはピアストリだ。彼はスタート時のソフトタイヤを引っ張ってアドバンテージを得ようとしていたが、マシンに電気的なトラブルが発生。12周でピットインし、ステアリングホイールを交換することで問題に対処しようとした。しかし結局それも上手くいかず、ピアストリはレース復帰を断念。F1デビュー戦はほろ苦い結果に終わった。

 チーム代表のアンドレア・ステラは、ピアストリのマシンに発生したトラブルはステアリングコラムよりもさらに奥に原因があったため、交換が意味を成さなかったと説明している。

「電気的な障害はステアリングコラムよりもさらに奥に存在していた。ステアリングホイールの問題ではなかった」

「おそらくハーネスの問題だった。我々は調査を行っているが、すぐには解決できないだろう」

 一方のノリスはエンジンの空気圧漏れの問題により、レースが台無しとなってしまった。彼は10周目に早くもピットストップすると、その後は約10周ごとにピットへ戻って空気を充填しなければならない状態に。結果、彼は最後尾の17位でフィニッシュしている。

 ステラ代表はノリスに生じた問題については、次のように語る。

「空気圧の漏れがランドのマシンに生じていた。我々はこの漏れについては、レースが始まって比較的早くから発見していた」

「そして、充填をする前には毎回10〜11周しかできないと分かったんだ」

「我々はレースを続けることを決断し、最後の10周でラップリーダーから1周以内に留まろうとした」

「セーフティカーが出ていたら、チャンスもあったかもしれない。6回ピットストップを行なっていたんだ」

 トラブルにより2周遅れにされたノリスだったが、彼は混乱はありつつも新マシンの初期ペースに関する懸念を和らげることができたと語っている。

「良いスタートができた」

「いくつかポジションを上げられた。基本的にはターン1から問題があったけどね。空気圧の問題やその他の問題があって、僕らはどんどん遠ざかっていった。10周ごとにピットへ入らなくてはいけなかったんだ」

 またノリスは今回のレースで何かポジティブな点はあったかと聞かれると、次のように冗談めかして答えている。

「メカニックがピットストップの練習を何度もできたことが一番良かったと思う。それが今日最大のポジティブな点だ」

「今日は実際、ペースは良かったと思うんだ。少なくともポイントも獲得できたはずだと思っている。問題が発生してしまったことは残念だよ」