【MotoGP】VR46のベッツェッキ、師匠の欠けたパドックに寂しさも……「でもロッシは常に僕らと共に居てくれる」
3月6日、MotoGPに参戦するVR46チームが2023年のマシンカラーリングを発表。ロッシがオーナーを務めるチームだけあり、プロモーション映像には彼も登場していた。
ただ、ロッシのMotoGPにおける存在感は、当然だが引退から小さくなりつつある。しかしチームライダーのマルコ・ベッツェッキによると、彼は四輪へ転向した今も、VR46アカデミーで非常に活発なままだという。
ロッシの立ち上げた若手ライダー育成のための組織がVR46アカデミー。そこでイタリアの才能ある新緑たちは着実に芽吹いてきており、昨年はフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)がアカデミー出身者として初めてMotoGP王者となった。
ベッツェッキはロッシがMotoGPパドックから離れている今、「彼がとても恋しい」と認めている。ただ「バレは常に僕らと共に居てくれる」とも語っている。
「つまり、僕らがトレーニングへ向かったとき、彼が他の場所にでかけていて、そこに居なくとも、彼は僕らのことを気にかけてくれている」
「もちろん、バレが地元にいるときの多くは、一緒にトレーニングしているよ。だから彼の姿が見えないときでも、一緒にトレーニングしているようなものなんだ」
「バレにも引退の瞬間がくることは、僕たちも分かっていた。理解はしていたんだけど、準備はできていなかった。何をすればいいか分かっていなかったんだ」
「でも今、僕らはできる限り最高のライダーになるべくトライしていかなくちゃいけない」
「幸い、彼は僕らをサポートするために後ろを固めてくれている。でも信じてほしいんだけど、本当に彼は僕らと一緒にいるんだ」
「どう表現すべきか分からないんだけど、彼がそこに居なくても、彼は僕らのスポーツや日常生活にとても興味を持ってくれているんだ」
「僕らはとても幸運だと思う。もちろん違いはあるし、パドックに彼がいないのは寂しいけどね。でもバレは今四輪レースに挑戦しているし、楽しんでいるからね」
またベッツェッキはロッシが四輪レースへの転向後に二輪でのスピードを失ったかと尋ねられたが、こう答えている。
「残念だけどね。ただ前回ミサノで走った時はケツを蹴り飛ばされていたし、次は僕がバレを倒すよ!」
なお2023年シーズンに向け、MotoGP2年目となるベッツェッキには昨年と同じく2年目だったエネア・バスティアニーニ(昨年はグレシーニ/現ドゥカティ)のような活躍を現実的に見せられるかという質問も飛んだ。
「状況は似ているけど、同じじゃないと思う。というのも2021年終盤にドゥカティが新型マシンを作り上げていたときには、今年よりも多くの問題があったからだ」
ベッツェッキはそう答えている。
「今年の新型マシンは、既にかなりの競争力を持っているように見える」
「もちろん、僕らの(2022年型)バイクも素晴らしいと思っている。凄く気に入っているし、レースでの優勝争いに加わって行きたい。初優勝、それが僕の唯一の目標だ。どうなるか様子を見てみよう」
「この世界は比較するのがかなり難しいものだ。でも、僕は戦うつもりだ」